オートネゴシエーションとは、接続する相手によって自分の通信速度や通信モードを切り替えることが出来る機能です。
例えば相手の通信速度が10Mbpsで通信モードが半二重だった場合、自身のインタフェースでも10Mbpsの半二重モードに切り替えてくれます。
相手の通信モードを認識するためにオートネゴシエーション機能を持っているインタフェースが物理的に接続されると、FLP(Fast Link Pulse)バーストと呼ばれるパルス信号を送信します。
同様な信号にNLP(Normal Link Pulse)と呼ばれる信号もあります。この信号は10BaseTでのリンクが正常に機能しているかどうかをチェックするだけの信号で、FLPはこのNLPを拡張しオートネゴシエーションを処理するための情報を含んでいます。当然NLPとの互換性も持っています。
FLPに自身のサポートする通信モード情報を付加してお互いに送信し合うことにより、お互いがサポートする通信モードのうち最も優先順位が高いモードに設定されます。
通信モードの選択優先順位は以下のようになっています。
基本的に通信速度の速いものから順に選択されます。
以上のようにオートネゴシエーションはお互いに通信モードを気にすることなく接続できるので非常に便利です。
100Mbpsのネットワークを1000Mbpsに更改していきたいときなどオートネゴシエーション機能を用いることにより段階的に導入していくことが可能になります。
しかし…
以上のようにオートネゴシエーションはお互いに通信モードを気にすることなく接続できるので非常に便利なのですが問題が無いわけではありません。
●片方の通信モードが固定モードで、もう片方がオートネゴシエーションが有効になっている場合
PC側がオートネゴシエーションモードでHUB側が10M 全二重の固定モードの時の動作は以下のようになります
1.PC側はオートネゴシエーションモードなのでFLPを送信しますが相手側は固定モードのためFLPを受け取っても何もしません。
2.固定モード側の機器(HUB)はNLP信号を送出しリンクが正常に機能しているかどうかをチェックします。(100M固定の場合はアイドル信号を送出します。)
3.NLPを受信したPCは10Base特有の信号であるNLPを受信したので相手側の機器は10Mbpsであることを検出します。(アイドル信号を受信した場合は100Mであると認識します。)
4.PC側は速度10Mであることは検出できましたが、全二重か半二重かは認識することができません。
5.通信モードを認識できない場合、オートネゴシエーションモードの機器は半二重モードに設定されてしまいます。
6.すると当然対向で通信モードが違うためうまく通信を行うことが出来なくなります。
対向機器の通信モードの組み合わせによって通信が出来る場合と出来ない場合があります。
詳細は以下の表を参照して下さい。
組み合わせによっては固定モードとオートネゴシエーションモードの組み合わせでも通信可能な場合がありますが基本的にはそんなことしません。
以上のことから・・・
・片側がオートネゴシエーションモードの場合はもう片側もオートネゴシエーションモードにする。
・片側が固定モードの場合はもう片側も固定モードにする。
これ基本。
以上、オートネゴシエーションの解説でした。
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