それではいよいよ実際に設定をしてみよう。
まずは標準アクセスリストの設定を解説していきましょう。
標準アクセスリストの設定は、以下の 2 つのコマンドから成り立っております。
Router(config)#access-list [アクセスリスト番号] [permit | deny] [送信元IPアドレス] (送信元ワイルドカード) (log)
Router(config-if)#ip access-group [アクセスリスト番号] [in | out]
アクセスリストの定義は以下の通りです。
Router(config)#access-list [アクセスリスト番号] [permit | deny] [送信元IPアドレス] (送信元ワイルドカード) (log)
※()はオプションです。
アクセスリスト番号は、番号によって標準アクセスリストなのか拡張アクセスリストなのかを指定します。
アクセスリスト番号が、1 ~ 99 の場合は標準アクセスリスト、100 ~ 199 の場合は拡張アクセスリストを意味しています。
200 以降の番号についても定義されていますが、ここでは割愛します。
通常は拡張アクセスリストまで理解していれば、運用には困らないと思います。
アクセスリスト番号に続いて、指定する条件に合うパケットを、許可(permit)するか拒否(deny)を指定します。
最後に条件を記述します。
送信元アドレスが 10.1.1.1 のホストを指定する場合は以下のように記述します。
Router(config)#access-list 1 permit 10.1.1.1 0.0.0.0
ホストアドレスですから最後のワイルドカードは、0.0.0.0になります。
また、以下のように「host」というキーワードを使うことも可能です。
Router(config)#access-list 1 permit host 10.1.1.1
送信元のネットワークが、10.1.1.1/24 を指定する場合は、
Router(config)#access-list 1 permit 10.1.1.0 0.0.0.255
と指定します。
最後のキーワードは、サブネットマスクではなく、ワイルドカードマスクを指定しますので注意しましょう。
全てのホストを指定する場合は、以下のように記述します。
Router(config)#access-list 1 permit 0.0.0.0 255.255.255.255
また、以下のように「any」というキーワードを使うことも可能です。
Router(config)#access-list 1 permit any
実際に以下の構成を例にして設定をしてみよう。
上記定義をEth0インタフェースのインバウンドで設定する。
まずはそれぞれの条件について、アクセスリストの定義を作成しましょう。
あとは、この定義を設定していくだけです。
アクセスリストの定義を作成して、以下のようにルータに設定します。
Router#conf t
Router(config)#access-list 1 permit host 192.168.1.1
Router(config)#access-list 1 deny 192.168.0.0 0.0.255.255
Router(config)#access-list 1 deny host 10.1.1.1
Router(config)#access-list 1 permit any
Router(config)#exit
アクセスリストの設定をした後は、この定義をインタフェースに定義します。
アクセスリストをインタフェースに適用するコマンドは、
Router(config-if)#ip access-group [アクセスリスト番号] [in | out]
今回の場合は、Eth0インタフェースにインバウンドで設定しますので、以下のように設定をします。
Router#conf t
Router#interface ethernet 0
Router(config-if)#ip access-group 1 in
Router(config-if)#end
これでアクセスリストの設定は完成です。
設定したアクセスリストを確認してみましょう。
コマンドは以下です。
Router#show access-lists
Router#show access-lists
Standard IP access list 1
10 permit 192.168.1.1
20 deny 192.168.0.0, wildcard bits 0.0.255.255
30 deny 10.1.1.1
40 permit any
Router#
ただこのコマンドではどのインタフェースに適用されているのかは分かりません。
どのインタフェースに適用されているかを確認するためのコマンドは、
Router#show ip interface
を実行します。
Router#show ip interface
Ethernet0/0 is up, line protocol is up
Internet address is 192.168.11.100/24
Broadcast address is 255.255.255.255
Address determined by non-volatile memory
MTU is 1500 bytes
Helper address is not set
Directed broadcast forwarding is disabled
Outgoing access list is not set
Inbound access list is 1
Proxy ARP is enabled
Local Proxy ARP is disabled
Security level is default
Split horizon is enabled
ICMP redirects are always sent
ICMP unreachables are always sent
ICMP mask replies are never sent
IP fast switching is enabled
IP fast switching on the same interface is disabled
IP Flow switching is disabled
IP CEF switching is enabled
IP CEF Feature Fast switching turbo vector
IP multicast fast switching is enabled
IP multicast distributed fast switching is disabled
IP route-cache flags are Fast, CEF
Router Discovery is disabled
IP output packet accounting is disabled
IP access violation accounting is disabled
TCP/IP header compression is disabled
RTP/IP header compression is disabled
Policy routing is disabled
Network address translation is disabled
WCCP Redirect outbound is disabled
WCCP Redirect inbound is disabled
WCCP Redirect exclude is disabled
BGP Policy Mapping is disabled
Router#
「show ip interface」コマンドは、IPレイヤのインタフェース情報を見ることができます。
ここで、「Inbound access list is 1
」とあり、インバウンドアクセスリストが設定されていることが分かります。
もちろん show running-config コマンドで確認することも出来ます。
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