Ciscoルータには、「clock set」コマンドで時刻の設定を行うことができます。
Router#clock set 14:45:00 10 Apr 2017
しかし、この設定はRAM上に保存されるため、再起動が発生すると元に戻ってしまいます。
そこで、大規模なネットワークになればなるほど、NTPを使った時刻の設定をするのが一般的になります。この場合、CiscoルータをNTPクライアントとして動作させて、NTPサーバに時刻の取得をさせる動作になります。
設定はとても簡単です。
Router(config)#ntp server [NTPサーバアドレス]
複数のNTPサーバと同期したい場合は、このコマンドを複数設定すればOKです。
Router#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)#ntp server 10.1.1.1
Router(config)#exit
実際に動作しているかを確認するには、「show ntp associations」コマンドで確認できます。
Router#show ntp associations
address ref clock st when poll reach delay offset disp
*~10.1.1.1 10.1.1.1 3 26 128 377 1.1 0.01 0.0
* master (synced), # master (unsynced), + selected, - candidate, ~ configured
確認するポイントは、設定したアドレスの先頭部分です。設定したアドレスの横に「」が表示されている場合は、正常に同期していることを意味しています。「」が無い場合は、同期されていませんので設定等を確認する必要があります。
Ciscoルータには、DHCPサーバとしての動作も可能です。割と小規模なネットワークであれば、わざわざDHCPサーバを準備しなくてもCiscoルータで代用してしまうのも良いかもしれません。
基本的な設定は次のコマンドを使用します。
この他にもリース期間やドメイン名、DNSサーバアドレスの指定など、細かいオプションが存在しますがここでは割愛します。
例として、DHCPとして割り当てるIPアドレス範囲を「192.168.11.0/24」、デフォルトゲートウェイを192.168.11.1とした場合の設定を見てみましょう。
router#conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)#ip dhcp pool TEST
Router(dhcp-config)#network 192.168.11.0 255.255.255.0
Router(dhcp-config)#default-router 192.168.11.1
さらに割り当てるアドレス範囲の中で「192.168.11.10 ~ 20」はサーバ用に固定アドレスで使用したい場合。
この場合、次のコマンドを使用して、「192.168.11.10 ~ 20」をDHCPの割り当てアドレスから除外します。
router(config)#ip dhcp excluded-address [開始アドレス] [終了アドレス]
router#conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)#ip dhcp excluded-address 192.168.11.10 192.168.11.20
さらにWebサーバについては固定 IPアドレスにしたいという場合は、MAC アドレスを指定して常に同じアドレスを割り振らせることも可能です。
Webサーバに「192.168.11.10」を常に割り振らせたい場合は、次のように設定します。
router#conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)#ip dhcp pool Web
Router(dhcp-config)#host 192.168.11.10 255.255.255.0
Router(dhcp-config)#client-identifier 0000.1111.2222.33
Router(dhcp-config)#default-router 192.168.11.1
host コマンドで割り当てる IP アドレスを、client-identifierコマンドでホストのMACアドレスを指定します。
IP アドレスの割当状況を確認するには、「show ip dhcp binding」コマンドを使用します。
router#show ip dhcp binding
IP address Hardware address Lease expiration Type
10.10.10.9 abcd.efgh.ij May 30 2006 02:05 PM Automatic
ネットワーク管理者に必須の機能である、SNMPについての設定です。
SNMPを利用することで、CiscoルータのMIB ( Management Information Base )に格納されている各種情報(インタフェース状態やトラフィック状況など)を取得することが出来ます。
SNMP を使った有名なツールとして MRTG があります。MRTG は MIB から各インタフェースのトラフィックを収集してグラフ化しているツールです。(MRTGを使ったネットワーク監視参照)
ここではSNMPに関する解説は、割愛させて頂きますが SNMP はネットワーク管理を行う上で必須の機能です。(SNMPの解説はSNMPによる状態監視参照)
それではまずはSNMPポーリングの設定です。
Router#snmp-server community [コミュニティ名] [ro | rw] (アクセスリスト番号)
※ro:Read-Only、rw:Read-Write の意味
SNMP Get(情報収集)のみ使用する場合はRead-Only にし、SNMP Set(設定)も行う場合のみ、Read-Write にしましょう。
それでは設定例を見てみましょう。コミュニティ名は一般的に使用されている「public」とします。
router#conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
router#snmp-server community public RO
これで、SNMPによるポーリングを受け付けてくれます。
もちろんSNMPマネージャ側でもコミュニティ名を「public」にしなければいけません。セキュリティを高めるために、アクセスリストを適用することも可能です。
ホスト 192.168.1.1のみ受け付ける場合は、
router#conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
router#access-list 10 permit 192.168.1.1
router#snmp-server community public RO 10
次は SNMP Trapの設定です。
ルータがインタフェースのアップ・ダウンを検知した場合などに、指定したホストに向けてTrapを送信する設定です。Trap を活用することで、ルータが能動的にメッセージを送ってくれるため、瞬時に障害を検知することも可能になります。
基本的な設定は以下です。
router#conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
router(config)#snmp-server host 192.168.1.1 public
router(config)#snmp-server enable traps
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