自分が過去に失敗した経験や、優秀なネットワークエンジニアを見てきて、
「エンジニアであるが故の勘違い」が結構あることを学んできました。
今回は若手のエンジニアが陥りやすい勘違いをご紹介してみたいと思います。
今後のエンジニアとしてのステップアップに役立てて頂ければ幸い。
最新技術を取り込んだソリューションだったり、
高度な技術を盛り込んだネットワークを提案すれば、
顧客は勝手に付いてくると勘違いしがちです。
実際は、いくら高度な技術を盛り込んだとしても、
それが顧客が求めているモノではないのなら、
構成が複雑になるだけのお荷物に過ぎません。
エンジニアはどうしても最新技術を盛り込みたがる生き物です。
しかし、目的と結果をはき違えてはいけません。
あくまでも、目的は顧客が抱えている課題を解決すること。
その目的を達成するために、最新技術が必要であれば
盛り込めばよいのです。
顧客にとって最新技術など、どうでもよいことなのです。
全く同じ内容を発言したり実行したりしても、
誰が言ったか/やったかで結果が全く異なることがよくあります。
例えば同じ提案を顧客と初めて会ったエンジニアが言うのか、
何度も一緒に仕事をした経験のあるエンジニアが言うのかで
結果は大きく異なるでしょう。
なぜこのような結果になるのでしょうか?
それは、信頼感です。
顧客に信頼されているエンジニアであればあるほど、
顧客は素直に聞き入れてくれます。
顧客に対して、何を言うかも、もちろん大事ですが、
自分が今お客様にどれだけ信頼されているのかを認識した上で、
発言することも重要です。
このことから得られる教訓は、「意見は信頼感を得てから言うべし」
ということ。
自分の発言を顧客に聞き入れてもらうためには、
何よりも先に顧客から信頼感を得ることが必要だということです。
ネットワークの提案に行くと、対応してくれる顧客は
基本的に情報システム関連の部署の方になります。
当然、ある程度のスキルを持っていると思い込み、
こちらがごく当たり前だと思っている技術的な話を
普通にしてしまいがちです。
しかしもしかしたらそれは、顧客にとっては敷居が高くて
理解してもらえないかもしれません。
よく、得意げに技術的な話をマシンガンのように
繰り広げるエンジニアがいますが、顧客にとっては
ただのありがた迷惑。
会話の中でお客様の技術的スキルをある程度把握しつつ、
顧客のレベルに合わせた会話を心がけることが大事です。
これは半分正解だが、半分間違い。
たしかに障害が発生して、如何に手際よく切り分けを実施し、
障害を復旧させることが出来るのかという点では、
見せ場であることは否定しない。
しかし、より優れたエンジニアは障害が発生しない設計だったり、
障害が発生してもダウンタイムが少ない設計だったり、
障害切り分けがしやすい設計を目指す。
そのため、優れたエンジニアが設計したネットワークは
問題発生が少なく、オペレーションコストの削減に貢献する。
反面、大きな問題もなく運用されているネットワークであるため、
顧客にとってはその「すごさ」はどうしても見落とされがちでもある。
以上のように、最も優れたエンジニアは、
「問題の発生が少なく、問題が発生しても影響を極力小さくする」
という点を考慮したネットワークを設計するのです。
これも半分正解だか、半分間違っている。
モノを作り上げる時の基本は、「出来るだけシンプルに」が基本である。
顧客が求めてもいないのに、細部にまでこだわって、
細かい制御を行うと物事が複雑化し過ぎて思わぬトラブルのもとである。
仮に顧客の要望を満たすために細かい制御が必要な場合は、
念入りな検証を行い、事前に想定通りの動作をするかどうかを
きっちりと確認しておくことが重要。
エンジニアという生き物は、基本的に新しモノ好きです。
そのため、隙を見て新しく盛り込まれた機能を使いたがります。
もちろん、新しい機能が顧客が求める機能であれば、
検討する余地はあるでしょう。
しかし、そもそもそんな機能なんか必要なかったり、
他に既存の機能で実現可能であれば、出来るだけ枯れた機能を採用しよう。
なぜなら、新しく盛り込まれた機能は、
思わぬ不具合が内在している可能生が高いから。
新機能は当然、使用しているユーザーが少ないため、
メーカーで潰しきれなかったバグが潜んでいる可能生が大いにあります。
わざわざあなたの顧客を人柱にする必要はありません。
凄い技術力があれば、顧客はついて来るに違いないと
思っているエンジニアは多いようです。
しかし、高い技術力=高い売上は、必ずしも成り立たないものです。
結局、我々エンジニアが飯を食べていけるのは、
顧客がいるからこそです。
エンジニアとして技術を探求するとこは、もちろん大事なこと。
でも、それだけではただの自己満足。
顧客がいなければそれは仕事ではなく、単なる趣味の1つです。
以上、似たような内容もありますが、7つほどあげてみました。
読み直してみると、エンジニアといえども、技術力だけではなく、
その技術力の高さをアピールするためのコミュニケーション能力や、
顧客が求めている技術や機能を理解するための理解力も必要だと
いうところでしょうか。
結局設計や構築を行うのは、我々エンジニアですが使うのはユーザです。
エンジニアと言っても、ユーザ視点は忘れちゃだめですね。
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