LTEを高速化にしている技術は主に以下の4つです。
現在主流の3Gで利用されている周波数帯域は、1.25MHzあるいは
5MHzです。
LTEでは、1.4M~20MHzの中から通信キャリアが自由に選択することが
できます。
周波数幅が大きくなれば、理論上は最大通信速度がリニアに向上していきます。
そのため、当初は5Mhz幅でサービスを開始して、無線ネットワークの準備が
整ったら、周波数幅を広げて通信速度を高速化していくといった柔軟な運用が
可能となります。
実際に、NTTdocomoのLTEサービスも当初は5MHzでサービスを開始して、
将来的に周波数幅を広げていく予定のようです。
変調方式とは、電波に情報を乗せる手法のこと。
電波の振幅や送信するタイミングなどを変化させることで、
「0」と「1」のデジタル信号を送信しています。
3Gの場合は、QPSKや16QAMという方式を使っています。
QPSKの場合、電波の送信タイミング(位相)を4パターンに
変えることができます。
16QAMの場合は、16パターンに変えることができます。
当然、多くのデータを送信するには、この位相のパターンが
多いほうが効率がよくなります。
LTEの場合、64QAMという方式を使っていて、最大64パターンの情報を
送信することが可能です。
3Gに比べると、最大1.5倍の情報が送れることが出来るわけです。
ちなみに、 LTE は基地局とノードの距離が離れていたり、
障害物が多いなど電波状況が良くない場合は使用せず、
16QAMやQPSKに切り替えて使用します。
この理由は、通信品質の劣化を防ぐためで、64QAMなど多くの情報を
送信することができる方式の場合、通信環境の劣化によって、
受信側で情報を識別できずに、再送を繰り返してしまい、
逆に通信効率が悪くなるためです。
MIMOとは、データの送信側と受信側のそれぞれで、
複数のアンテナを使って効率よく情報を送る技術のこと。
アンテナ数によって、送信できる情報も増やすことでき、
LTEの仕様上最大で4本のアンテナを使用することができます。
つまり、理論上は3Gの4倍の速度が出るわけですね。
MIMO技術は、複数のアンテナを同時に使用して複数のデータを
送受信させることで高速化させる技術です。
まず、送信側でデータを分割し、複数のアンテナに並列に情報を
送信します。
受信側アンテナでは、送信側のアンテナから送信された情報が
バラバラに送られてきます。
受信側アンテナは、そのバラバラの情報を元通りにします。
そのために、各アンテナ間の伝送特性を常に把握しています。
送信側と受信側は電波状況の変化を常にやりとりしていて、
この情報を使ってバラバラな情報を元に戻しています。
また、LTEでは下りと上りのMIMOの使い方が違います。
上りの場合は送信側は1つのアンテナを使用し、
受信側で複数のアンテナを使用します
下りの場合は送信側も受信側も複数のアンテナを使用します。
そのため上りよりも下りの方が最大通信速度が向上しています。
OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)とは、
デジタルテレビなどにも使われるOFDM(Orthogonal Frequency
Division Multiplexing)を用いた無線アクセス方式で、ユーザーの
無線環境に応じて効率的な周波数帯を割り当てることで、
トラフィックを効率的に処理します。
3Gでは「CDMA」という技術を使っていて、ユーザーごとに符号を使って、
同じ周波数帯を使用して信号の区別をしています。
OFDMAは、一定時間ごとにリソースを割り当てるユーザーや
変調方式を変更することが可能です。
例えば、電波状況が良いユーザーや、データのやりとりが
多いユーザーに対しては、リソースを優先的に割り当てたり、
64QAMを使用するといったことが可能になります。