LTEには、5つの「カテゴリー」という基準が決められていて、
最大通信速度や変調方式、MIMOなどの組み合わせが規定されています。
カテゴリが上がれば最大通信速度も上がっていき、カテゴリー5で下りの
最大通信速度が300Mbpsになります。
カテゴリー5の場合、周波数は20MHz、変調方式は64QAM、MIMOは
アンテナを4本使った場合の速度になります。
ちなみに、NTTdocomoのLTEサービスは、当初はカテゴリー3に準拠した
端末が投入されています。
NTTdocomoが発表しているLTEサービスの最大通信速度は、
「施設内で下り最大75Mbps、上り最大25Mbps、そのほかのエリアは
下り最大37.5Mbps、上り最大12.5Mbps」となっていますが、
この値はあくまで理論値です。
基地局から遠かったり、「セル」と呼ばれる同じ1つの基地局がカバーする
エリア内に多数のユーザーがいた場合には、速度は低下します。
実際にNTTdocomoが実施したフィールドテストでも、基地局から離れた場合、
数Mbpsまで速度が低下したという発表もしています。
日本で最初にLTEサービスを開始したのはNTTdocomoで、
「Xi(クロッシィ)」というサービス名で初めています。
現状は、3GとLTEの両方に対応したデータ通信専用の端末が発表されました。
私も試す機会があって、使ってみましたがたしかに今までの3Gに比べると
動画もストレスなく視聴出来ますし、モバイル環境でここまで速度が
出るのであれば、将来的にはこの速度を活かした魅力的なサービスが
出てくるでしょう。
ただし、現在はエリアが限定されているようで、都内であっても3Gで
接続してしまうことも多くて普及にはもう少しかかりそうな印象を持ちました。
では、LTE版のハンドセットはいつごろ登場してくるのでしょうか。
NTTdocomoによると2011年にはハンドセット型の端末を提供することを
明言しています。
LTEは使用として、音声をVoIPとして処理することが可能です。
そのため将来的に、LTE版音声サービスが始まるとデータと同じように
音声もIPのネットワーク上で実現できることになります。
ただし、いきなりVoIPで提供するにはリスクが高いようで、
当初は既存の3Gのネットワークを使ってサービスを行う予定のようです。
LTEサービスが始まったと言っても、いきなり3Gを無くすことは
できないわけで、モバイルキャリアとしても徐々にLTEへ
移行していってもらう方が、設備コスト面でもメリットがあります。
そうなるとどうしてもLTEと3Gを連携させる仕組みが必要になります。
そこで考え出されたのが、「CS Fallback」という機能です。
LTE端末に3Gの端末から音声着信があった場合、ネットワーク上で
LTEから3Gにハンドオーバーして、3Gのネットワークで音声発信されます。
逆にLTE端末から音声発信する場合は、LTEに発信要求してから
3Gにハンドオーバーして、3Gに切り替えます。
NTTdocomoの発表によると、当面はLTEサービスの地域が
限定されるため、データや音声のやりとりをしている最中にLTEと3Gの
切り替えが頻繁に発生することを見込んでいます。
LTEと3Gのエリアが切り替わるときに、通信が途切れてしまうと
使い物になりませんので、その場合もネットワーク側で連携して
途切れることなくハンドオーバーされます。