RSVP-TE はラベルを配布するシグナリングプロトコルの 1 つで、RFC3209 で標準化されています。
RSVP-TE は、既存の RSVP にラベル配布と、TE(Traffic Enginieering)の機
能を対応させた拡張プロトコルです。
RSVP-TE を使用すれば LDP では実現できなかった、LSP の経路を明示的に指
定することができたり、LSP の帯域幅を確保するといった機能があります。
RSVP-TE は MPLS に対応させるために、既存の RSVP に以下の機能を拡張しています。
RSVP-TE は DoD(Downstream-on-Demand)モードでラベルを配布していきます。
LSPをセットアップするルータである「Head End」から、PATH Message を送信し、LSP
の宛先ルータである、「Tail End」から RECV Message を送り返して、ラベルを
割り当てていく動作となります。
以下の構成で RSVP メッセージのやり取りを見ていきたいと思います。
「Head End」のRT1から「RT1→RT2→RT3→RT5→RT6の経路を通るときのラベル番号を教えて下さい。」
というPATH Messageを送信します。
メッセージを受け取った「Tail End」は、割り当てたラベル値をRECV Messageを使って知らせていきます。
各ルータがどのようにメッセージを処理していくのかをステップバイステップで見ていきましょう。
「Head End」のRT1がPath Messageを送信します。
Path Messageは、EROで指定されたパスに沿って宛先に転送されていきます。
Path Messageを受信したRT2は、RROとEROを更新して、RT3へと転送します。
Path Messageを受信したRT3は、Label値として「3(implicit null)」をLabel Objectに
付与してRecv Messageを送信します。
※Label値には、予め予約された値があります。
MPLSラベルヘッダ
Recv Messageを受信したRT2は、Label値として「64」をLabel Objectに付与してRecv Messageを送信します。
「Head End」のRT1がRecv Messageを受信してLSPの確立が完了します。
また、RSVPは片方向のみですので、双方向でLSPを確立するためには逆方向(RT3→RT1)への
やり取りが必要になります。