ネットワーク監視(Ping)

ネットワーク監視で使われる技術

ネットワークの監視には、大きく以下の4つの技術が使われています。

  • Ping / Traceroute による死活 / 経路 / 遅延確認
  • ポートチェックによるサービスの死活監視
  • SNMPによる状態確認
  • syslog / trap による状態確認

今回は監視で最もよく使われる「Ping」について見ていきましょう。

 

意外に奥が深いPing

Pingはネットワークエンジニアでなくても、多少ITに詳しい方は
使ったことがあるかもしれません。

Pingを使えば、宛先との接続性到達性応答時間(RTT)
確認することができます。
Pingはとにかく手軽に疎通確認ができるので、エンジニアにとっては
なくてはならないツールです。

ちなみに、「Ping」はプロトコルの名称ではなくて、プログラムの名称で、
実際は「ICMP」というプロトコルを使っています。

Pingコマンドを実行すると、送信元のノードから宛先のノードに向かって
接続を確認するためのパケットが送信されます。

そのパケットが宛先に届いて、宛先のノードは送信元のノードへパケットを
送り返します。こうすることで、両ノード間での接続性を確認しています。

 

Pingの仕組み

 

Pingを使えばネットワーク層レベルの確認が可能

Pingはパケットを送って、宛先ノードに到達すると宛先ノードが送信元の
ノードへパケットを送り返すというとてもシンプルな動作です。
Pingで確認できるレベルはIPレベル、つまりOSI参照モデルでいうところの、
「ネットワーク層」までの確認になります。

つまり、Pingを使うことで、宛先サーバーまで通信が可能かどうかや、
宛先サーバーが生存しているかどうかをネットワークレベルで
確認することができます。

例えば、「社内のAサービスが使えない」なんて時にPingでAサービスが
稼働しているサーバーにPingを実行してみます。
Pingが失敗する場合は、サーバーが稼働していないか、サーバーまでの
到達性がないことが考えられますし、逆にPingが成功する場合は、
ネットワーク層レベルでは到達性があるため、サーバー側でサービスが
停止している可能性があるといった切り分けが可能です。

ICMP(Internet Control Message Protocol)

ここでICMP(Internet Control Message Protocol)というプロトコルについて
少し解説しておきましょう。

ICMPはIPと同じネットワーク層で動作するプロトコルで、
RFC792で定義されています。

□RFC792
http://rfc.net/rfc792.html

ICMPは用途によっていくつかのタイプに分けられています。

IPは基本的にデータ伝送の機能しか持っていません。
ICMPはIPの機能追加をするために提案されたプロトコルで、
その各機能を「タイプ」として定義しています。

以下が主要なICMPのタイプ一覧です。

  • タイプ0
    エコー応答(Echo Reply)
  • タイプ3
    到達不能(Destination Unreachable)
  • タイプ4
    始点抑制(Souce Quench)
  • タイプ5
    リダイレクト(Redirect)
  • タイプ8
    エコー要求(Echo Request)
  • タイプ9
    ルータ通知(Router Advertisement)
  • タイプ10
    ルータ選択(Router Selection)
  • タイプ11
    時間超過(Time Exceeded)
  • タイプ17
    アドレスマスク要求(Address Mask Request)
  • タイプ18
    アドレスマスク応答(Address Mask Reply)

※さらに詳細な情報は、下記を参照してください
http://www.iana.org/assignments/icmp-parameters

Pingではこの中で以下の2つのタイプを使用しています。

  • タイプ8:エコー要求(Echo Request)
  • タイプ0:エコー応答(Echo Reply)

送信元が、タイプ8(エコー要求(Echo Request))で宛先に
ICMPパケットを送り、宛先ノードはタイプ0(エコー応答(Echo Reply))
で送信元に送り返します。

 

ICMPの動作概要

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