スラング:
ある組織や集団に属する、または共通の嗜好を持つ者たちが用い、
彼らの間だけで意味が通じるような用法で用いられる言葉。
どの業界でも一緒だと思うが、その業界独特の「方言」、
カッチョよく言えば「スラング」というものが存在する。
たとえば、警察が使うスラングで手錠のことを「ワッパ」、
拳銃のことを「チャカ」なんていうのは有名な話。
我らがエンジニアにも良く使うスラングというものが少なからず存在する。
今日はそんな「エンジニア・スラング」をいくつかご紹介
●「ゲンチョー行ってきまぁす」
ゲンチョー=現場調査の略で、現場の状況を確認することを言う。
業界によっては、ゲンチョー=現場調整のことを指す場合もあるので
注意が必要。
●「デフォルト」
エンジニアがもっともよく使うスラングの1つで、既定値をあらわす言葉。
「デフォルトの値は120です」
「このルータはデフォルトの設定のままです」
なんて使うのが一般的
あまりにもよく使うため、普段の生活でも自然と出てきてしまう。
「ラーメンにライスを付けるのはデフォルトでしょ?」なんてことを
一般人にするとドン引きされる場合があるので要注意。
●「今日はチョッキしますんで」
チョッキ=直帰=直接帰るという意味。
現場から事務所に戻るころには、終業時間を過ぎてしまうなんてときに、
そのまま直接帰ることをチョッキという。
ただし作業が早く終わりすぎて、頃合を見計らって終わるようにわざと
作業を遅らせるなんてことはしちゃだめだめ。
●「ちょっとマンガ書いてみて」
ここでいうマンガとは、もちろんあの漫画のことではなく、
簡単な構成図のこと。
実際に詳細な構成図を作成する前に、簡易な構成図を書くわけだが、
その構成図のことをマンガと言う。
上記のセリフを新人くんに言ったところ「僕マンガなんて書けません」と
真顔で言われた時は、俺もずいぶんこの業界にいるんだなぁなんて
感慨にふけったり。
●「そのきしめん取ってくんない?」
きしめんとはCiscoルータに付属のコンソールケーブルのこと。
平べったいケーブルで、その姿がきしめんに似ていることから
いつしかそう呼ばれている。
もちろん食べれません。
●「おいマメがたんね~ぞ!!」
ここは飲み屋じゃねーぞなんて声が聞こえてきそうなこのセリフ。
UTPケーブルに取り付けるRJ45のコネクタのことをマメとかタマととか
呼ぶのだが、普通の人がこのセリフを聞けば、単なる酔っ払いオヤジの
戯言にしか聞こえない。
●「ちゃんと耳付けとけよ」
ネットワーク機器をラックに据え付けるときに使用する金具のことを
耳と呼ぶ。
ネットワーク機器に金具を取り付けると、金具の部分が耳のように
見えるためだそうだが、一般人からすれば到底理解不能であり、
明らかに変な目で見られること受け合いである。
●「ルータが落ちる」
ルータが落下したわけではない。
ルータの電源やプロセスが停止した時に発せられるスラング。
同様なセリフに「ルータがコケる」がある。
●「舐める」
一見すると艶かしいスラングだが、もちろんそんなわけはない。
ここでいう舐めるとは、最初から最後までチェックしていく
という意味。
「アクセスリストを一通り舐める」
なんて使い方が吉。
「いかしたあの子を舐めまわすように眺める」と同意。
●「掘る」
これまた何やら想像力をかき立てるコトバではあるが、
間違いなくあなたが想像したこととは違う。
ディレクトリを作成するときに、
「新しくディレクトリを掘って、そこにファイルを入れといて」
なんて風に使う。
●「ダンプに吐く」
もちろんダンプカーに○○を吐くわけではない。
ルータはクラッシュしたときにダンプファイルを生成する場合がある。
そのダンプファイルを調査することで、クラッシュの原因を究明する際に
役立つのだが、このダンプファイルを生成することを、
「ダンプに吐く」と言う。
以上、エンジニアがよく使うと思われるスラングをご紹介した。
この業界に踏み込んでしまった新人さんにとっては、これらのスラングに
いかに早く慣れるのかが重要になってくる
分からなかったら分かったふりをせずに、その場で聞くことがこの業界に
染まっていく近道でもある。
そして自然とスラングをしゃべり、256 や 512 という数字がキリがよいと
感じてくれば一人前である。
最後ではあるがこれらのスラングは、私&私の周りで使われている
スラングであって、これらがすべてのエンジニアの
デファクトスタンダードでないことは言わずもがなである。
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