こんなに便利な機能であるアドレス変換ですが、
アドレス変換を使用することでアプリケーションやネットワーク構成によっては
弊害が発生します。
ここまでLAN側のPCからインターネットへのアドレス変換について
書いてきましたが、インターネットからLAN側のPCへの通信の場合は
どうなるでしょう?
まずLAN側のIPアドレスはプライベートIPアドレスですから、
そのままプライベートIPアドレス宛に通信を使用としても、そのパケットは
インターネット上で破棄されてしまい通信できません。
それではブロードバンドルータが保持しているグローバルIPアドレス宛に
通信をするとどうなるでしょうか?
この方法でも通信は出来ないのです。
ブロードバンドルータがパケットを受け取っても、そのパケットをLAN側の
どのPCのアドレスに変換すればよいか判断することができないため、
やはりパケットは届かないのです。
このようにアドレス変換を使用すると、インターネット上からLAN側へ
接続するようなアプリケーションは使用することが出来ないわけです。
例えばLAN側にWebサーバを構築して、インターネット上から接続したい
なんてときに弊害が発生するわけ。
ただし逆に考えると、インターネットからの不正アクセスを全て
防いでくれるわけですからLAN側ネットワークのセキュリティ保護に
繋がるとも考えられますよね。
アドレス変換を使用すると、インターネット上からLAN側へ接続するような
アプリケーションは使用することが出来ないということは説明しました。
でもそれではWebサーバをインターネットに公開したいなんて人にとっては
アドレス変換は使えないことになってしまいます。
そこで、そんな弊害を取り除くための機能がちゃんと用意されています。
この機能のことを「ポートフォワーディング」や「静的IPマスカレード」と
呼ばれています。
次回は「ポートフォワーディング」について解説していきます。
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