OSI参照モデルを使ったデータの流れを見てみましょう。
A君がBさんへメールを出したとしましょう。
このときのOSI参照モデルの流れは送信側では第7層のアプリケーション層 から順に下の層にデータが送られ、受信側では第1層の物理層から順に上の 層にデータが送られます。
※クリックすると大きな画像で見れます。
OSI参照モデルでのデータ通信は上位層から順番に“ヘッダ”と呼ばれる制
御情報を付加していきます。
例えばコンピュータがあるアプリケーションを使用しデータを送信したとし
ます。
ちなみにOSIモデルではこのデータの単位を“PDU(Protocol Data Unit)”
と呼びます。
“PDU”が第4層のトランスポート層まで降りてくると、そこで“ヘッダ”を
付加し第3層のネットワーク層に渡します。
ネットワーク層でも同じように“ヘッダ”を付加し第2層のデータリンク層
に渡します。
データリンク層では受け取った“PDU”の先頭と最後に“ヘッダ”を付加し、
第1層の物理層に“PDU”を渡します。
最後の物理層で転送のために"0"と"1"のパターンに符号化し電気信号として
ケーブル上に流し情報を送ります。
このように各層でヘッダを付加してデータグラムにすることを
“カプセル化”
といいます。
逆に相手に届いたデータは第1層から順にヘッダをはがしていき、第7層で
生のデータとなりコンピュータに到着します。
この各層がヘッダを取り外していくプロセスを、
“非カプセル化”
といいます。
ここで重要なのは上位層から受け取ったデータは中身がWEBのデータだろう
が、FTPのデータだろうが、ただのデータとしてしか認識しないという点です。
常にヘッダ部分を確認して次の層に渡すという動きをします。
PDUは各層によって名称が下図のように変わっていきます。どの名称がどの層
のPDUを指しているのかについては、しっかり覚えておきましょう。
このように各層とのやり取りにはヘッダを確認し、下位層に送るときにはヘッ
ダを付加(カプセル化)し、また上位層に渡すときには1つヘッダをはがし
て(非カプセル化)送るという動きをします。
この考え方は今後も非常に重要ですのでしっかり身につけるようにしましょう。
データの送信についてもう1つ知っておかなければならないことがあります。
それは
“データはパケットという一定の大きさに分割して送る”
ということです。
なぜわざわざデータを分割して送る必要があるのでしょう?
仮にデータを分割しないでそのまま送った場合をみてみましょう。
ここでデータが壊れていた場合、もう一度データを送らなければいけません。
次にデータを分割して送った場合を見てみましょう。
ここでデータが壊れた場合でも、壊れたデータだけ再送すれば済みます。
こうすることで無駄なデータを流すことを防ぐことができ、効率の良い通信
が可能になるわけです。
各階層の役割を理解したところで、今回は各階層でどのようなプロトコルが
使われているのか見ていきましょう。
上図のように各階層にはさまざまなプロトコルがあり“TCP”や“IP”もその
1つです。
この様々なプロトコルを使い分けることにより、いろいろなアプリケーショ
ンや機器に対応することが可能になるわけです。
例えば、インターネットの閲覧ならHTTPとTCPとIP、電子メールの送信なら
SMTPとTCPとIPといった具合にプロトコルを組み合わせて使うことで対応で
きるわけです。
そんな様々なプロトコルの中でもネットワーク層の“IP”とトランスポート
層の“TCP”(UDP)はどんなアプリケーションの通信であっても使われること
が多いです。
それが、TCP/IPが非常に重要視されている理由でもあるわけですね。
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