ここまでIPアドレスについて解説してきましたが、IPアドレスの
中でユーザーが使うことの出来ない特殊なアドレスが存在します。
以前説明した物もありますがここでおさらいの意味も含めて説明したいと思
います。
○全て“0”のIPアドレス
IPアドレスが全て“0”とはつまり、0.0.0.0のことです。
このアドレスは通常コンピュータなどのホストのIPアドレスとしては使用す
ることが出来ません。
DHCPサーバーからIPアドレスの取得に失敗したホストが、とりあえず仮に使
用する時に使用したりします。
○ホストアドレス部分が全て“0”のIPアドレス
ホストアドレス部分が全て“0”のIPアドレスを「ネットワークアドレス」
といいます。
これは以前説明しましたとおり、IPアドレスを構成するビットの中で、
データリンクを識別するための値です。
ネットワークアドレスが同一のグループは1つの“ネットワーク”として扱
われますよね。
ネットワークアドレスは、それぞれのネットワークを識別する値
だと説明したかと思います。
表記方法はホストアドレス部分を全て“0”が割り当てられた値がネットワー
クアドレスとなります。
つまり192.168.1.0/24の場合のネットワークアドレスは、
192.168.1.0
がネットワークアドレスとなります。
○IPアドレス全てが“1”のIPアドレス
IPアドレス全てが“1”のIPアドレスとはつまり、255.255.255.255のことで
す。
このアドレスのことを一般的に、「ブロードキャストアドレス」と呼ばれる
のですが、正式には「リミテッド・ブロードキャストアドレス」といいます。
リミテッド・ブロードキャストアドレスは同一ネットワーク上のすべてのホ
ストに対して通信を行う場合に宛先アドレスとして使用されます。
ただし、コンピュータなどのホストに対して設定することは出来ません。
○ホストアドレス部分が全て“1”のアドレス
ホストアドレス部分が全て“1”のアドレスは、
“ディレクテッド・ブロードキャストアドレス”
と呼ばれます。
192.168.1.0/24の場合のディレクテッド・ブロードキャストアドレスは、
192.168.1.255
がとなります。
“ディレクテッド・ブロードキャストアドレス”は、そのネットワークに所
属するすべてのホストに対して通信したい時に使用するアドレスです。
ディレクテッド・ブロードキャストアドレス宛に通信を行った場合、そのメッ
セージはネットワーク内の全てのホストに届きます。
では「ディレクテッド・ブロードキャストアドレス」と「リミテッド・ブロー
ドキャストアドレス」の違いは何でしょうか?
どちらもブロードキャストアドレスと名がつくだけに、ネットワーク内の全
てのホストを意味しますので、メッセージは全てのホストに届きます。
ただし「リミテッド・ブロードキャストアドレス」は、ルータを越えること
は出来ません。
つまり1つのネットワーク内でのみ完結する通信なわけですね。
なぜルータを越えられないのでしょう?
それはもし仮にブロードキャストがルータを越えてしまうと、インターネッ
トに繋がる全てのホストにブロードキャストが届いてしまいますね。
これではインターネットはブロードキャストだらけになってしまいます。
そんなことにならないために、ブロードキャストはルータを越えられないよ
うにしているわけです。
しかし「ディレクテッド・ブロードキャストアドレス」の場合、ルータを越
えた他のネットワークを指定することで、ルータを越えたネットワークにブ
ロードキャストを運ぶことができるのです。
ネットワ-ク初心者のみなさま。
ネットワークの基礎知識を疎かにすることは
大変危険です!!
これを読めばネットワークの基礎が分かる!!
ネットワーク関連の仕事に就きたいとお考えの学生の方や、ネットワークに興味があって転職を考えている社会人の方、まずは登録してみてください。
もちろん無料です!!
↓メールマガジン購読はこちら↓