OSPFでは、エリアをスタブエリアにするには以下の設定をスタブエリア内の内部ルータ、ABRに行う。
RTB(config)#router ospf 1
RTB(config-router)#area <area-id> stub
スタブエリアの拡張機能である完全スタブ(Totally Stub)エリアを設定するには[no-summary]を追加する。
RTB(config)#router ospf 1
RTB(config-router)#area <area-id> stub [no-summary]
デフォルトコストをエリア内に反映するには以下の設定を行う。
RTB(config-router)# area <area-id> default-cost <cost>
コストが上記のコマンドを使用して設定されていない場合、コスト"1"が ABR によってアドバタイズされます。
【設定例】
(1)スタブエリア設定前のConfigとRoutingTable
RTB(config)#router ospf 1
RTB(config-router)#network 10.1.1.0 0.0.0.255 area 2
RTB(config-router)#network 10.1.2.0 0.0.0.255 area 0
RTC#show ip route
10.0.0.0 255.0.0.0 is variably subnetted, 2 subnets 3 masks
C 10.1.1.0 is directly connected, Serial0
O IA 10.1.2.0 [110/100] via 10.1.1.1, 00:54:23, Serial0
172.16.1.0 is variably subnetted, 1 subnets
O IA 172.16.1.0 [110/200] via 10.1.1.1, 00:50:13, Serial0
192.168.1.0 is subnetted, 1 subnets
O E2 192.168.1.0 [110/10] via 10.1.1.1, 00:50:13, Serial0
RTCでRoutingTableを表示させると、全てのルートを学習しているのが分かります。
(2)エリア2をスタブエリアにした時のConfigとRoutingTable
RTB(config)#router ospf 1
RTB(config-router)#network 10.1.1.0 0.0.0.255 area 2
RTB(config-router)#network 10.1.2.0 0.0.0.255 area 0
RTB(config-router)#area 2 stub
RTC(config)#router ospf 1
RTC(config-router)#network 10.1.1.0 0.0.0.255 area 2
RTC(config-router)#area 2 stub
RTC#show ip route
10.0.0.0 255.0.0.0 is variably subnetted, 2 subnets 3 masks
C 10.1.1.0 is directly connected, Serial0
O IA 10.1.2.0 [110/100] via 10.1.1.1, 00:34:37, Serial0
172.16.1.0 is variably subnetted, 1 subnets
O IA 172.16.1.0 [110/200] via 10.1.1.1, 00:14:42, Serial0
O*IA 0.0.0.0 0.0.0.0 [110/65] via 10.1.1.1, 00:14:42, Serial0
RTBとRTCにスタブの設定が必要になります。
RTCでRoutingTableを表示させると、外部ルートのみデフォルトルートに置き換えられたことがわかります。
(3)エリア2を完全スタブエリアにした時のConfigとRoutingTable
RTB(config)#router ospf 1
RTB(config-router)#network 10.1.1.0 0.0.0.255 area 2
RTB(config-router)#network 10.1.2.0 0.0.0.255 area 0
RTB(config-router)#area 2 stub no-summary
RTB(config-router)#area 2 default cost 20
RTC#show ip route
C 10.1.1.0 is directly connected, Serial0
O*IA 0.0.0.0 0.0.0.0 [110/84] via 10.1.1.1, 00:14:42, Serial0
RTCでRoutingTableを表示させると、外部ルートとエリア間ルートがデフォルトルートに置き換えられたことがわかります。
OSPF以外のルーティングプロトコルをOSPFエリア内にアドバタイズさせるにはASBR(自律システム境界ルーター)にてredistributeコマンドにて実現可能です。
OSPFルートの種類
種類 | 説明 | |
内部ルート | OSPFエリア内ルート | 通常プライマリルートとして使用されます。
LSA Type1及びLSA Type2によって作成されます。 |
OSPFエリア間ルート | エリア内ルートがない場合、エリア間ルートが使用されます。
LSA Type3によって作成されます。 |
|
外部ルート | 外部ルート
タイプ1 |
ASBRに直接接続されたネットワークを指します。
メトリックはOSPF以外のルーティングプロトコルのメトリック(コスト)とOSPFコストの合計値になる。 |
外部ルート
タイプ2 |
ASBRに直接接続されたネットワークやスタティックルート以外の手段で学習されたネットワークを指します。
メトリックはOSPF以外のルーティングプロトコルのメトリック(コスト)がそのまま適用される。 Ciscoのデフォルトの外部ルートタイプは、特に指定しない限りタイプ2です。 |
Static RouteをOSPF内にアドバタイズさせる場合の設定例を以下に示す。
【設定例】
RTB(config)#router ospf 1
RTB(config-router)# redistribute static metric 30 subnets
RTB(config-router)#network 172.16.1.0 .0.0.0.255 area 0
RTB(config)#
RTB(config)#ip route 10.1.1.0 255.255.255.0 Serial0
OSPFルータにデフォルトルートを強制的に生成させるには以下の設定を行います。
default-information originate [always] [metric metric-value] [metric-type type-value] [route-map map-name]
OSPFでデフォルトルートを生成するには、2 つの方法があります。1 つめはOSPFドメイン内部ですでにデフォルトルートがある場合です。
default-information originate [metric metric-value] [metric-type type-value] [route-map map-name]
OSPFでデフォルトルートを生成する2つめの方法では、デフォルトルートがあるかないかにかかわらず 0.0.0.0 をアドバタイズします。2 番めの方法は、キーワード always を追加すると設定できます。
default-information originate always [metric metric-value] [metric-type type-value] [route-map map-name]
メトリックとメトリック タイプは、デフォルトルートに割り当てられたコストとタイプ(E1 または E2)を指定します。
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