今回は実際にPingを実行してみましょう。
下図はコマンドプロンプトから実際にPingを実行した結果です。
ネットワークエンジニアにはとても見慣れたPingの実行結果ですね。
上記画面では、「192.168.1.8」に対してPingを実行した時の結果です。
この時、画面には表示されていませんが、宛先に対して
「タイプ8(エコー要求(Echo Request) )パケット」
を送信しているのです。
そして宛先ノードは
「タイプ0(エコー応答(Echo Reply) )パケット」
を返してきているのです。
このように、単純にPingコマンドを実行して結果だけを
確認するのではなくて、Pingコマンドを実行することで、
ICMPというプロトコルをやり取りしているんだなぁなんて
意識しながら作業してみてくださいね。
Pingの実行結果が出たところで、出力画面に表示されている情報について
簡単に見ていきましょう。
まず最初の行。
「Pinging 192.168.1.8 with 32 bytes of data:」
この行では、「192.168.1.8」というアドレスに対して
32バイトのデータを送信したことを表しています。
この32バイトのデータ長はWindowsでPingを実行したとき
のデフォルトの値です。
もちろんこのバイト長はオプション設定を変更することで、
変えることが可能です。
(オプションについてはまたの機会に解説します)
ちなみにこの「32バイト」という値を見てピンと来た方は
とってもスルドイ。
Ethernetのフレームのデータ長は、46 ~ 1500 バイトと
決められています。
データ長が 32 バイトでパケットを送ってしまうと、
規定の範囲外のデータ長であるため破棄されてしまうのです。
そのため、実際に送信されるICMPパケットは、32 バイトではなく、
データを付け足すことでデータ長を 46 バイトにして送り出されます。
この付け足されたデータのことを、
「パディングデータ」
と呼んでいます。
実際にどんなデータを付け足しているのかといいますと、
OSによって異なるのですが、基本的には意味のない文字列が付与されます。
Windowsの場合は、「abcdefghijk…」と連続したアルファベットが
付与されるようです。
続いて「Reply from ~」で始まる行が4行続けて表示されています。
ここで宛先からタイプ0(エコー応答(Echo Reply) )パケットが
送られてきたことを表しています。
Windowsのデフォルト設定では、Pingコマンドを実行すると宛先に対して
4 回、エコー要求(Echo Request) パケットを送信します。
そのため返してくる、エコー応答(Echo Reply) パケットも
4 回になるわけです。
このことはさらに下の行にある、「Packets sent = 4, Received = 4」
という表示からも分かりますね。
この行の「time<10ms」という部分で、Pingを実行してから
相手から応答パケットが返ってきた時間を表しています。
この場合、相手から 10ms 以内でパケットが
返ってきていることが分かります。
通常同じネットワーク内にPingを実行すれば、10ms 以内になるはずです。
同じネットワーク内ですから距離も近いわけで、
応答時間も必然的に短くなるわけですね。
例えばこれが複数のルータを経由した宛先にPingを実行した場合は、
相手から返ってくる応答パケットも遅くなります。
以下は「Google.com」へPingを実行したときの表示例です。
このように、ルータをいくつも経由することで、
ルータの処理の問題や距離的に離れていることで遅延が発生し、
応答時間も長くなります。
続く「TTL=128」は、返ってきた応答パケットの
TTL(Time To Live)の値を表示しています。
TTL(Time To Live)はパケットがルータを経由する度に、
1 づつ減っていきます。
そしてTTL(Time To Live)が 0 になるとそのパケットは破棄されます。
この機能によって、パケットが永久にネットワーク上に
残ってしまうことを防ぐわけです。
Windowsの場合、デフォルトで 128 が設定されます。
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