QoS - IP Precedence

IP Precedence

DiffServ ではサービスによりパケットを分類し、優先制御を行います。

パケットの分類方法は IP アドレスやポート番号などの他に、IP Precedence
や DSCP といった IP ヘッダ内のフィールドを使用した分類が可能です。

今回は WFQ の解説時にも出てきた「IP Precedence」について
書いていきたいと思います。

IP ヘッダー内にある TOS ビット

以下の図は IP ヘッダの各フィールド情報です。

この中に、Type of Service（TOS）と呼ばれる 1byte のフィールドが
あります。

IP Precedence はこの 1byte（8bit）のうちの前半 3bit を
使用しています。

優先制御を行うルータは、この IP Precedence の値を確認して
パケットのクラス分けを行います。
また、ルータではIP Precedence の値の変更も可能です。

IP Precedence 値

IP Precedence 値は以下の 8 つとなります。

Precedence 0　：　routine
Precedence 1　：　priority
Precedence 2　：　immediate
Precedence 3　：　flash
Precedence 4　：　flash-override
Precedence 5　：　critical
Precedence 6　：　internet
Precedence 7　：　network

数字が大きいほど優先度が高いパケットとして認識されます。

このうち、「Precedence 6」と「Precedence 7」は、
ルーティングパケットや、keepalive などのルータの
制御パケット用に予約されているため、ユーザは指定することが
出来ません。

ユーザが指定できる値で最も優先度が高いのは、「Precedence 5」で
一般的には、音声用などで使用されます。
通常デフォルトは「Precedence 0」が設定されます。

IP Precedence 設定例

ルータにてパケットの IP Precedence 値を変更する場合は、
以下のように設定します。

たとえば、10.1.1.0/24 宛のパケットのみ「Precedence 5」に
変更し、それ以外のパケットのIP Precedence 値は変更しない
設定を行う場合は、

router(config)# access-list 101 permit ip any 10.1.1.0 255.255.255.0
router(config)# class-map match-all C_ippre-5
router(config-cmap)# match access-group 101
router(config)# policy-map P_ippre-5
router(config-pmap)# class C_ippre-5
router(config-pmap-c)# set ip precedence 5
router(config)# interface FastEthernet 0/0
router(config-if)# service-policy input P_ippre-5