QoS の細かい話に入る前に、QoS がどのような動作をしているのか
について書いておきましょう。
QoSの基本的な機能には以下の4つがあります。
QoS は特定のトラフィックを他のトラフィックよりも優先させて
通信を行ったり、トラフィックが輻輳していても特定のパケットだけは
廃棄させないようにするための機能です。
ということはつまり QoS は、まず優先させるためのパケットを
分類することから始めるわけですね。
分類するキーワードには様々あるのですが、代表的なキーワードは
以下の通りです。
このように、アプリケーションや宛先アドレスなど、パケットを
ある特定の条件で分類することを、「クラス分類(Classification)」と呼んでいます。
分類されたパケットをそれぞれグループ化するプロセスを
「マーキング(Marking)」と呼んでいます。
ネットワークに流れているパケット毎に、特定の条件にマッチしたものを
それぞれの優先度に合わせてグループ化していきます。
具体的には、パケットのヘッダにある以下のフィールドに記述していきます。
IP Precedence と DSCP は IP ヘッダの ToS(Type of Service)フィールド
にあります。
ToS フィールドの上位 3 ビットを IP Precedence としてパケットを
マークするために使用されます。
IP Precedence は 3 ビットのため、0 ~ 7 まで 8 クラスしか
分けることは出来ない。
そこで、IP Precedence を拡張させるために考えられたので DSCP です。
DSCP は ToS フィールドの上位 6 ビットを使用し、最大 64(0 ~ 63)
まで分類が可能となっています。
さらに、IP Precedence と同じ ToS フィールドを使用しているため、
IP Precedence との互換性も保たれています。
CoS は、IEEE802.1Q VLANタグ内のフィールドで、レイヤ 2 フレームに
優先度を付与する際に使用されます。
CoS はイーサヘッダ内ではなく、VLAN タグ内の TCI フィールドに
記述されます。
CoS については、別途 Switch の QoS について書く際に詳しく
解説する予定です。
MPLS Exp は MPLSラベル内のExp(Experimental)ビットに設定します。
MPLS ネットワーク内で、QoS を実施する際に使用されます。
MPLS に関してはここでは解説しませんです。
MPLS に興味の有る方はこちらをごらんくださいませ。
MPLS技術
以上のようにネットワーク上のルータに、上記フィールドの優先度を
設定しておけば、そのネットワーク上を流れるパケットごとに
優先度を確認し、輻輳が起こった際は優先度の高いパケットを 優先して転送するわけです。
QoSとは
QoSの基本
QoS - クラス分類とマーキング
クラス分類とマーキングについて学んでいきましょう
QoS - それぞれの機能
QoSの3つの基本機能について
QoS - 輻輳制御 (Queueing)
輻輳制御 (Queueing)についての解説
QoS - プライオリティ・キューイング(PQ)
プライオリティ・キューイングについての解説
QoS - カスタムキューイング(Custom queueing)
カスタム・キューイングについての解説
QoS - カスタムキューイング(Custom queueing)その2
カスタム・キューイングについての解説
QoS - WFQ(Weighted Fair Queue)その1
WFQ(Weighted Fair Queue)についての解説
QoS - WFQ(Weighted Fair Queue)その2
WFQ(Weighted Fair Queue)についての解説
QoS - IP Precedence
IP Precedenceについての解説
QoS - DSCP
DSCPについての解説
QoS - CBWFQ
CBWFQについての解説
QoS - LLQ (Low Latencey Queuing)
LLQについての解説
QoS - WRED(Weighted Random Early Detection)
WREDについての解説
QoS - ポリシングとシェーピング
ポリシングとシェーピングについての解説
QoS - GTS(Generic Traffic Shaping)
GTSについての解説
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