輻輳制御とはその名の通り、「輻輳を制御」する技術です。
輻輳が発生したときに、その輻輳を制御するわけですから、
輻輳が発生していない場合は、当然輻輳制御は動作しません。
例えば以下の構成の場合は輻輳は発生しませんので、
輻輳制御も動作しません。
逆に以下の構成の場合は輻輳制御が動作します。
何でもかんでも輻輳制御の設定をしておけば安心と思われている方も
いるようですが、輻輳制御を設定しても意味のないポイントが
ありますし、そもそも輻輳が発生していない状態では輻輳制御は
動作しませんので注意しましょう。
続いて輻輳時の動作について見ていきましょう。
以下の図はルータ内の簡略化したアーキテクチャを示しています。
パケットがポートから入ってくると、キューやバッファと呼ばれる部分を通り、
最終的にポートから出ていきます。
輻輳状態では無い場合は、キューにはパケットが溜まっていません。
この状態では輻輳制御は動作せず、FIFO (First-In First-Out)の動作を
します。
※ちなみに、ここで記載しているキューは正確には「Software Queue」と
「Hardware Queue(TX-Ring)」の 2 つに分けられるのですが、
ここでは 1 つのキューとして記載しています。
ここで、輻輳が発生し始めると、output キューにパケットが
溜まっていきます。
output キューが一杯になると、CPU に輻輳状態が通知されます。
このことを「バック・プレッシャ(Back pressure)」と呼んでいます。
輻輳状態になると、output キューにてあらかじめ決めておいた設定
(特定のパケットを優先して出力してあげる等)に従って輻輳制御が
動作します。
輻輳状態になったときにすぐにパケットを破棄するのではなく、
輻輳してすぐに転送することが出来ないパケットをキューに貯めておき、
転送可能な状態になると、貯めておいたパケットを順番に転送する
動作を行います。
キューの最大容量を超えたパケットは破棄されてしまいます。
FIFO はパケットがルータに入ってきた順にルータから送出する
動作を行います。
入ってきたものから順番に出すから「First-In First-Out」と
呼ばれるわけです。
FIFO は 超重要なパケットと、ある程度遅延を許容するパケットの
区別をしてくれないため、アプリケーション毎に優先順位を付けたい
場合には、FIFO は向いていません。
Cisco IOS の場合、2.048Mbps以上の速度で動作するインターフェースは
デフォルトでFIFOが動作します。
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