TCP/UDP - ウインドウサイズを利用したフロー制御

 

信頼性を高めるための方法

TCP では信頼性を向上させるために以下の 3 つの技術を採用しています。

  • 相手が通信可能かどうかを確認する機能
    仮想コネクションの確立
  • 相手にパケットが届いたかどうかを確認する機能
    ACK による到達確認
  • 相手の処理能力に合わせてデータサイズを調整する機能
    ウインドウサイズを利用したフロー制御

今回は最後の「ウインドウサイズを利用したフロー制御」について
解説していきましょう。

 

ウインドウサイズを利用したフロー制御

3 ウェイハンドシェイクで仮想コネクションを確立し、
データの送信中は ACK パケットを使用して到達確認を実施する。

これだけでも、かなりの信頼性向上になっているわけですが、
TCP ではさらにもう 1 つの機能を利用して信頼性向上を図っています。

それは送信するデータ量。

以下のように送信側ノードがむやみにデータを送信した場合、
受信側ノードのデータ処理能力が低く、すべてのデータを受信できない
可能性が発生してしまいます。

 

ウインドウサイズ

 

このような状態が続けば、当然通信の信頼性は落ちてしまいます。

そのため受信側ノードの処理能力を考慮しつつ、最適なデータサイズを
送信する機能が必要になります。

この機能を「フロー制御」と呼びます。

 

フロー制御の動作

送信するデータのサイズは、何の情報で最適化されるのでしょうか?

それは「ウィンドウサイズ」を使用して最適化を行っています。
一度に受信できるデータのサイズを「ウインドウサイズ」と呼び、
送信側ノードは受信側ノードあら通知されるウインドウサイズに
従って、送信するデータのサイズを調整しています。

受信側ノードがどのようにウインドウサイズを通知するかと
いいますと、データを受信するたびに返信する ACK パケットに
ウインドウサイズを盛り込んで通知しているのです。

 

フロー制御

 

もし、受信側で処理できなくなった場合は、ウインドウサイズを「0」
にして ACK パケットを送信します。

すると、送信側ノードはデータの送信を中断します。

受信側ノードでデータ受信が出来る状態になると、改めて ACK パケット
を送信することで、データ送信が再開されます。

 

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