調達終結は、プロジェクトにおける個々の調達を完結するプロセスです。調達終結プロセスは、納入者側のスコープ検証プロセスと同期します。
調達終結プロセスの主な活動は以下の通りです。
- 調達に関わるすべての作業と要素成果物が受入であることを検証する
- 未解決のクレームの最終処理を実施する
- 最終結果を反映させるために記録を更新する
- 将来の利用に備えて情報を保管する
調達終結は、プロジェクトやプロジェクト・フェーズに対応した契約事に処理します。複数プロジェクトからなるプロジェクトでは、契約の期間はプロジェクトの特定フェーズにのみ限定されます。
契約の中途解約は、特殊なケースですが、当事者双方の合意や一方の当事者の債務不履行によって生じます。
また、契約で規定がある場合には、購入者の都合によっても発生します。
インプット
プロジェクトマネジメント計画書
調達管理文書
ツールと技法
調達監査
調達計画から調達管理までの調達のプロセスを体系的にレビューします。調達監査の目的は、当該プロジェクトや母体組織の他のプロジェクトにおいて、調達契約の作成や管理に反映すべき成功と失敗を特定することです。
交渉による和解
すべての調達関係において、係争中のすべての話題やクレーム等を交渉によって公正に最終的な和解に導くことがもっとも優先すべき目標です。
直接交渉による和解が不可能な場合は、紛争解決(ADR)を模索し、最後の手段として裁判を考えます。
和解への順序は、当事者間の話し合い→ADR→裁判の順序で実施します。
記録マネジメントシステム
12.3 調達管理を参照してください。
アウトプット
完了済み調達
購入者は、権限をもつ調達管理者から納入者に封して、契約完了の通知を公式の書面で発行します。その要求事項は、契約書の状況として定められ、調達マネジメント計画書に記載します。
組織のプロセス資産更新版
以下の内容が更新されます。
- 調達ファイル
完了済み契約を含め、索引を付与した契約文書一式を作成し、最終プロジェクト・ファイルに含める - 要素成果物受入れ
要素成果物を受け入れるか拒否するかを公式の書面で通知します。判断の基準などの受入れに関する要求事項は、契約書に含めます。 - 教訓の文書化
教訓や経験、改善提案などを作成して、将来の調達の改善のためにプロジェクト・ファイルに含めます。