イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき
イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press) 翔泳社 |
ようやく読んだ。
何となく後回しにしていて、読むまでに時間が経ってしまったことを、読後に激しく後悔。
本書の内容を一言でいうと、「優良企業は、優良企業であるが故に転落する」という理論について書かれています。
優良企業は、製品の性能を改善する「持続的技術」の範囲内の進化であれば、健全な経営判断を行うことで乗り越えていけるが、飛躍的な革新をもたらす「破壊的技術」が登場すると、その健全な経営判断が足枷となり、企業を失敗へと導くことになる。
その理由としてあげているのが以下の5つ
・企業は顧客と投資家に資源を依存している
・小規模な市場では大企業の成長ニーズを解決できない
・存在しない市場は分析できない
・組織の能力は無能力の決定要因になる
・技術の供給は市場の需要と等しいとは限らない
優良企業がイノベーションのジレンマに陥らない方法として、著者が上げているのは以下の5つ。
・破壊的技術はそれを求める顧客を持つ組織に任せる
・組織の規模を市場の規模にあわせる(小さな組織に任せる)
・分析して成功するよりも、失敗に備えて犠牲を小さくし、試行錯誤から学ぶ
・主流組織の資源の一部だけを利用し、プロセスや価値基準を共有しないようにする
・破壊的技術の商品化には新しい市場をみつけるか新たに開拓する
確かに、かつて優良企業といわれていた企業が転落していく事例は多いし、本書で書かれている理論にあてはまる事例も多いですね。
ユニクロの台頭と百貨店の転落なんてのはまさにそう。
GoogleとMicrosoftのの関係もそうかもしれません。
本書を読んで、企業の成長と衰退は避けようのないライフサイクルなのかもしれないと思いました。
では、我々は今後どう行動していけばよいのでしょう?
流れに身を任せるのか?逆流に逆らってもがくのか?成長サイクル真っ直中な企業に飛び移るのか?
じっくりと考えてみたいと思います。