2012年のIT技術展望
この時期になると来年のトレンド予想が出てくるわけですが、早速有名どころのガートナーとIDC Japanからそれぞれ発表がありました。
まずはガートナーから。
ガートナー | プレス・リリース | ガートナー、2012年以降にIT部門およびユーザーに影響を与える重要な展望『Gartner Predicts 2012』を発表
- 2015年までに、低コスト・クラウド・サービスがアウトソーシング大手企業の収益の最大15%まで食い込む
- 2013年には消費者向けソーシャル・ネットワークへの投資バブルが、2014年にはエンタプライズ・ソーシャル・ソフトウェア・ベンダーへの投資バブルがはじける
- 2016年までに、企業における電子メール・ユーザーの少なくとも半数が、デスクトップ・クライアントではなくブラウザやタブレット、モバイル・クライアントを利用するようになる
- 2015年までに、スマートフォンとタブレットをターゲットにしたモバイル・アプリケーションの開発プロジェクトはネイティブPCプロジェクトを上回り、その比率は4対1になる
- 2016年までに、企業の40%がすべてのタイプのクラウド・サービスの利用に際し、独立した機関によるセキュリティ・テストの結果をクラウド選定条件にする
- 2016年末には、Global 1000企業の半数以上が顧客に関する機密データをパブリック・クラウドに格納するようになる
- 2015年までに、ほとんどの企業においてIT支出の35%がIT部門の予算枠外で管理されるようになる
- 2014年までに、米国で消費されているアジア調達の完成品およびアセンブリの20%が、北米・中南米にシフトする
- 2016年までに、新たな脆弱性を狙ったサイバー犯罪により、経済的損失は年間10%の割合で増加する£
- 2015年までに、80%のクラウド・サービスの価格にグローバル燃料サーチャージが含まれるようになる
- 2015年までを通じ、Fortune 500企業の85%以上が、ビッグ・データを競合優位性確保のために効果的に活用することに失敗する
続いて、IDC Japanの発表を見てみましょう。
- 国内IT市場は、復興財政支出政策の影響を受け、スマートフォン、ITサービス、ソフトウェアが市場を押し上げる
- 国内クライアント市場は「マルチデバイス」時代に入り、モバイルデバイスが国内IT市場の成長を牽引し続ける
- クラウドサービスがITのモダン化を加速させ、「モダンPaaS」を創生する
- ハイブリッドクラウド時代を迎え、クラウドサービス向けIT市場のフレームワークが形成される
- 事業継続/災害対策ソリューションは仮想化技術の進展とクラウドサービスの成熟によって再構築が進む
- モバイルデバイス、3.9G/LTEサービスの早期展開によって通信事業者ネットワークインフラ市場が活性化する
- 2012年はビッグデータ活用型アナリティクスビジネスのリーダーの座をかけた競争のスタートダッシュの年になる
- 国内企業の海外ITシステム構築/運用を巡る、国内・グローバル・オフショアベンダー間の競争が激化する
- センサーネットからインターネットに接続する「スマートデバイス」が増え、デバイスの「ソーシャル化現象」が起きる
- 次世代の最初の10万のスマートシティソリューションは「第3のITプラットフォーム」上に構築される
どちらも、総じて「クラウド」と「スマートフォン」が大きなキーワードになっているようです。
今まではコスト削減したくても、技術的な面で先に限界が来てしまっていた印象ですが、コスト削減が可能な技術の登場や既存技術のコモディティ化が進んだことで、来年以降はコスト削減が大きなテーマになるのではないかと個人的には考えています。