TRILL(transparent interconnection of lots of links)
2011/6/29 内容追記しました
TRILL(トリルと読みます)の標準化がぼちぼち完了するようです。
TRILL(transparent interconnection of lots of links)とは、L2冗長化用プロトコルの仕様で、現在IETFで標準化作業が行われています。
L2冗長化用プロトコルというと、悪名高きSTPが有名ですが、個人的には昨今のリアルタイムトラフィックに対応しづらいSTPには引退してもらいたいと思っているので、TRILLには大いに期待しています。
STPを使った冗長化は、特定のポートをブロックさせることでループフリーな状態を保つわけですが、そうすると当然トラフィックが流れないポートが出てきてしまい。非効率なネットワークになってしまいます。
昨今の広帯域化によって、10Gイーサネットが普通に使われる世の中で、これでは非常に非効率。
STPからTRILLに切り替えると、このような問題が解消されます。
TRILLの特徴は以下の通り。
・Shortest path 方式を採用しており、最短経路を使って目的の機器まで到達する
・経路が同じパスがある場合は、負荷分散も可能
・新規でTRILLネットワークに、機器を追加すると自動で情報のやり取りが行われ、TRILLが稼働する
TRILLは実はISISが裏で動いています。
ISISというと、OSPFやRIPなどと同じように、IGPとして使うのが一般的ですが、そもそもISISは仕様上、IP上で動作することが必須というわけではなく、L2での動作も可能なプロトコルです。
ちなみに、Cisco機器のサポート状況ですが、現在はNexus7000がFabricPathという機能名でTRILLをサポートしているようです。
FabricPath および Cisco FabricPath Switching System によるデータセンターの柔軟な拡張 – Cisco Nexus 7000 シリーズ –
FabricPathに関する紹介動画
余談
TRILLについて調べていて知ったのですが、TRILL以外にも「IEEE 802.1aq Shortest Path Bridging」というL2 冗長用プロトコルの標準化も進められているようです。
追記1
CiscoのFabricPathは、TRILLではなくCisco独自の機能とのことです。
誤った情報を掲載してしまいましたので、ここで訂正させて頂きます。
mamesanさん、コメントありがとうございました!
追記2(2011/6/29)
Ciscoの中の人がFabricPathについて語っていたブログがありましたのでご紹介。
Cisco FabricPath – Scaling your data center network
Cisco supports FabricPath today and will support TRILL in the near future giving customers a choice which one to deploy. Customers implementing FabricPath today and wanting to switch over to TRILL will be able to do so with a simple software upgrade.
近い将来、ソフトウェアのアップグレードでTRILLのサポートも行う予定のようです。