報道されないネットワークエンジニアの裏側
Engineer 2.0 – the Networked Engineer / stylianosm
会社までの約一時間の通勤時間は、オレにとっては必要不可欠な時間でして
普段は読書がメインなのですが読む本が無いときはメタル(通称:暴虐重金属音楽)を聞いて悦に浸っているか、はたまた人間ウォッチングに勤しんでいる
つい最近も通勤中読書をしていると
「BGPフラッピングがさぁ・・・」
「ブロードキャストストームが・・・」
などと若い兄ちゃん二人が話をしていた
周りの人は何のことだか分からないだろう
きっとデカレンジャーの必殺技について熱く語っているとでも思っているに違いない
しかしネットワーク屋の端くれであるオレの触手が動いた
何やらネタがオレを呼んでいる!!
で、耳をダンボにして聞いていると、
若者A「○○さんが設計したネットワークがボロボロでさぁ、その尻拭いで大変だったよ」
若者B「○○さんCCIE持ってるのにの設計もロクに出来ねえよなぁ」
などど○○さんという会社の先輩らしき人のことをミソカスに言っていた
うんうん そういう頭でっかちんな人はどこの職場でもいるよね
なんて思いながら聞いていると若者二人はさらに話を続けた
若者A「でもさぁオレは思うんだ。」
若者B「何を?」
若者A「○○さんて盆栽いじりが趣味じゃん?」
若者B「うん」
若者A「いっそのこと植木屋に転職した方が良くなくない?」
若者B「ほぅほぅ 趣味を仕事にするってことだね」
若者A「そうそう。OSPFが分かる植木屋ってなかなかいないじゃ~ん」
などと言いながら二人でグハグハ笑っていた
なるほど確かにサブネットマスクの計算が出来る植木屋なんてなかなかいないもんな~
「う~む ずいぶん枝が伸びてきたなぁ ちょっとサマライズするかぁ」
なんて言いながらおもむろに枝を切り始める植木職人なんてカッコイイよねぇ
などと妄想を膨らませていると
なにやらオレの斜め前に座っているおじさんがワナワナと震えているではないか
おっ?この人もネットワーク屋かな?なんて思いながらオレはその後も毒舌トーク全開な若者二人の話に聞き入っていた
その後 若者二人は最寄り駅に到着したらしく二人仲良く電車を降りていった
とその時 オレの斜め前に座っているおじさんがスックと立ち上がり
周りの人たちにアメフトタックルを食らわしながら猛然と駅にダッシュし若者二人につかみかかり涙と怒りがブレンドされた形相で叫んだ
「ゴルァー!おまえら●×▲☆※・・・・・・」
電車は肝心な部分をかき消すかのように静かにドアが閉まり
おじさんの悲哀に満ちた怒声を余韻に残し走り出した
結局そのおじさんがあの話の当人だったのか はたまた若者二人の上司だったのか定かではない
いずれにしても「天空の城ラピュタ」を見終わった後の何とも言えないあの清々しさと胸を締め付ける想いでいっぱいになった
それ以来あの三人に会いたくて出来るだけ同じ時間の同じ車両に乗車しているものの未だお目にかかっていない