計画プロセス群は、作業全体のスコープを確定し、目標の定義と洗練を行い、目標を達成するのに必要な一連の行動の流れを規定するために実行されるプロセスからなります。
計画プロセス群には20のプロセスが定義されています。
計画プロセスでは、プロジェクトマネジメント計画書とプロジェクト文書を作成します。
よくこの文書はプロジェクトマネジメント計画書なのか?プロジェクト文書なのか?という問題が出題されますので、プロジェクトマネジメント計画書とプロジェクト文書の区分はしっかりと理解しておきたいところです。
プロジェクトマネジメント計画書とプロジェクト文書の区分の仕方は以下の通りです。
- プロジェクトマネジメント計画書
補助計画書とベースライン - プロジェクト文書
プロジェクトマネジメント計画書以外の文書
それぞれの具体的な文書類を以下に記載しておきます。
それぞれどの文書が含まれるのかはしっかりと覚えておきましょう。
プロジェクトマネジメント計画書
- 変更マネジメント計画書
- コミュニケーション・マネジメント計画書
- コンフィグレーション・マネジメント計画書
- コスト・マネジメント計画書
- コスト・パフォーマンス・ベースライン
- 人的資源計画書
- プロセス改善計画書
- 調達マネジメント計画書
- 品質マネジメント計画書
- 要求事項マネジメント計画書
- リスク・マネジメント計画書
- スケジュール・ベースライン
- スケジュール・マネジメント計画書
- スコープ・ベースライン(スコープ記述書、WBS、WBS辞書)
- スコープ・マネジメント計画書
プロジェクト文書
- アクティビティ属性
- 品質尺度
- アクティビティ・コスト見積り
- 責任分担マトリックス
- アクティビティ・リスト
- 要求事項トレーサビリティ・マトリックス
- 前提条件ログ
- 資源ブレークダウン・ストラクチャー
- 見積りの根拠
- 資源カレンダー
- 変更ログ
- 資源に対する要求事項
- プロジェクト憲章
- リスク登録簿
- 契約書
- 役割と責任
- 所要期間見積り
- 納入者リスト
- 予測
- 発注先選定基準
- 課題ログ
- ステークホルダー分析
- マイルストーンのリスト
- ステークホルダー・マネジメント戦略
- 実績報告書
- ステークホルダー登録簿
- プロジェクト資金要求事項
- ステークホルダー要求事項
- プロポーザル
- 作業範囲記述書
- 調達文書
- 協業契約
- プロジェクトの組織構造
- チームのパフォーマンス評価
- 品質管理測定結果
- 作業パフォーマンス情報
- 品質チェック・リスト
- 作業パフォーマンス測定結果
プロジェクトマネジメント計画書について
プロジェクトマネジメント計画書は、10~12の補助計画書と3つのベースラインが作成されます。
ベースライン
ベースラインとは、プロジェクトの進捗管理における判断基準となるものです。
ベースラインには以下の3種類が定義されています。
- スコープ・ベースライン
スコープの基準で、プロジェクトの目標となるベースライン。
以下の3つで構成されます。
・スコープ記述書
・WBS
・WBS辞書 - コスト・パフォーマンス・ベースライン
予算を時系列に配置した支出計画。
第7章で詳しく書きますが、予算を時系列で配置すると、S字にプロットされるため、「S字カーブ」と呼ばれます。
また、この予算には「コンティンジェンシー予備費」を含みますが、「マネジメント予備費」は含みません。 - スケジュール・ベースライン
スケジュール・データから確定したスケジュールをいいます。
補助計画書
以下のそれぞれの補助計画書がどの知識エリアで作成されるのかをまとめておきます。
- 要求事項マネジメント計画書
スコープ・マネジメント - スコープ・マネジメント計画書
スコープ・マネジメント - スケジュール・マネジメント計画書
タイム・マネジメント - コスト・マネジメント計画書
コスト・マネジメント - 品質マネジメント計画書
品質マネジメント - プロセス改善計画書
品質マネジメント - 人的資源計画書
人的資源マネジメント - コミュニケーション・マネジメント計画書
コミュニケーション・マネジメント - リスク・マネジメント計画書
リスク・マネジメント - 調達マネジメント計画書
調達マネジメント
その他にも変更マネジメント計画書やコンフィグレーション・マネジメント計画書などが作成されることがありますが、PMBOK上には特に作成プロセスを定義していません。
計画プロセスの開始時点では、情報が限られていたり細部まで要件が明確になっていなかったりすることが多いです。
そのような場合、開始当初は上位レベルの分解に留め、機能仕様や基本設計が明確になるのを待って下位レベルまで分解することになります。
このように段階的に詳細化することを、「ローリング・ウェーブ計画法」と呼んでいます。