2009年度日本のIT投資動向からエンジニアが立ち向かうべきベクトルを考えてみる
ガートナー | 2009年度日本のIT投資は6年ぶりのマイナス (速報値) - それでも3割は前年比増を計画
ガートナーITデマンド・リサーチの2008年11月調査結果によると、景気の急激な後退に連動して、2009年度のIT投資も減少傾向が一段と強くなった。しかし、こうした状況の中でも、IT投資を「増加」させる計画を持つ企業が3割存在することが分かった。
ということで2009年度は予定通りIT投資減少を見込んでおります。
通常、企業のIT投資は中長期計画として策定する場合が多いため、今後の景気動向によっては2010年度以降もIT投資減少という悲しい結果が待っているとも限らない。
全体的なパイの減少は避けられないものの、その少ないパイを奪っていかなければ我々エンジニアは生き残れないわけで。
そこで我々エンジニアはこの不況の海をどう泳いでいけば良いのかを考えてみました。
IT投資削減というコトバの裏をもう少し注意深く妄想して見てみると、大きく以下の2つが透けて見えてきます。
・コスト削減
・ビジネスへの貢献
■コスト削減
ユーザーが求めていることは、第一に「コスト削減」ということを認識すること、は大事ですね。(当たり前ですが改めて)
コスト削減は今に始まったことではないですが、不況に陥ったことで顕著に「コスト削減」が叫ばれているように感じます。
ただしベンダーとしての本音は「コスト削減とかマジ勘弁」ってのが正直なところ。でもユーザーのベクトルがコスト削減へと向いているのも関わらず、そっぽ向いてバカ高い提案を提示するとかはありえないっすよねぇ。
確かに利益を上げることはもちろん大事ですが、それは結果であって目的ではない。ピーター・ドラッカーは「企業の目的とは顧客を生み出すこと」と言っているように、ビジネスの本質は「ユーザーが満足するサービスを提案すること」であるということを忘れちゃいけないなぁと。
あくまでも、顧客の本質、現状、行動、期待、価値観を出発点に考える。
以上より、「コスト削減を意識した提案」はマスト。ですね。
■ビジネスへの貢献
すでに箱売りに徹した提案は提案ではなく、その先の価値を提供することこと提案であるという状況に変わってきてはいるものの、過去の成功体験が染みついて未だに箱売り文化から脱却できない方々も多かったり。
すでに大部分のユーザーはIT化が進んでおり、その結果ユーザーのITリテラシーも向上していおり、箱売りだけでは満足しない時代です。箱売りは結果であり目的ではなくなってきている。
あくまで目的はどんな価値を生み出せるのかということ。よりビジネスに直結した提案を求めてきています。
今後ユーザーは大きな変化に直面し、その結果より競争力を高めたいと認識するはず。現に私の友人は大手メーカーのシステム担当なんですが、ユーザーはこう変えていきたいと望んでいるにもかかわらず、ベンダーやインテグレーターの対応は遅いと。その結果、我々ユーザーが主導で決めていかなければいけないと話していました。
顧客の嗜好は今後もっとITが直接ビジネスに直結するような提案(ビジネスの最適化や新たな収益の獲得など)を求めてくるでしょう。
その意識を我々インテグレータは認識しなくちゃなぁと思います。
ユーザーはベンダーやインテグレーターの対して何を求めているのか?
人?物?知識?システム?
ユーザーはモノではなく能力に対価を払うということを改めて認識しましょう。
■まとめ
・ユーザーの利益を最優先に
・市場の変化に敏感に、プロアクティブに行動する
市場のトレンドにマッチし、かつ将来を示す提案を
・箱売りに徹して価値を提案しないような愚策をしない
ユーザーは物ではなく能力に対価を払うことを忘れない
・一式いくらとかそんな見積は提示しない
機器を単なるハードウェアとして見る時代は終わった
・業務のシステム化レベルの提案とか時間のムダ
全体最適化の意識を常に持つ
・過去の成功体験に縛られることなく、革新性、先進性を意識した提案
・各ユーザが求めるものを提供するのではなく、包括的に取り組むべきものを提供する
ビジネスとITの融合、ビジョンへ到達するための具体的施策を盛り込む
最終的には、ユーザーとともに一丸となって不況の海を渡りきる同士となることが目標ですね。”