「ステークホルダー」という言葉は聞いたことがある方も多いかもしれません。
PMBOKでは、ステークホルダーを「プロジェクトに積極的に関与しているか、またはプロジェクトの実行あるいは完了によって自らの利益がプラスまたはマイナスの影響を受ける、顧客、スポンサー、母体組織、一般大衆のような個人や組織」と定義しています。
この定義を読むと、非常に広範囲にまで及ぶことが分かります。
ここではステークホルダーになり得る個人や組織について書いておきます。
- 顧客やユーザー
- スポンサー
- ポートフォリオ・マネジャーやポートフォリオ・レビュー委員会
- プログラム・マネジャー
- プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)
- プロジェクト・マネジャー
- プロジェクト・チーム
- 機能部門マネジャー
- 事業マネジメント
- 納入者やビジネス・パートナー
注意点として、そのプロジェクトによって利益がある人はもちろんですが、逆に不利益を被る人もステークホルダーになります。
例えば、マンションの建設プロジェクトで、日当たりが阻害される地域住民もステークホルダーになります。
逆にプロジェクトマネジャーの友人等は、当然ステークホルダーではありません。
これらステークホルダーはプロジェクトへ大きな影響を及ぼすため、事前にすべてのステークホルダーを特定します。
さらに、プロジェクト・マネジャーはプロジェクトを成功させるために、その要求事項や期待を明確にして、ステークホルダーの影響を適切にマネジメントしていく必要があります。
実際、ステークホルダーによっては、利益がある者もいれば、不利益がある者もいて、すべてのステークホルダーを満足させるプロジェクトは皆無。
だからこそ、ステークホルダーの期待をマネジメントするスキルは、プロジェクト・マネジャーにとっては非常に重要な責任の1つと言えるでしょう。
また、ステークホルダーの関わり方は、プロジェクトのライフサイクルによって変化します。
基本的には、ステークホルダーの影響力やリスク、不確実性などは、開始時が最大で徐々に低下していきます。
ステークホルダーを特定するプロセスは、コミュニケーション・マネジメント知識エリアの「ステークホルダー特定」として立上げプロセス群に定義されています。
ただし、プロジェクト中にステークホルダーが変化したり、関与度や権限も変化することがありますので、プロジェクトのライフサイクルを通して実行されます。