スケジュール・コントロールは、プロジェクトの進捗状況を把握するために、プロジェクトの状況を監視し、スケジュール・ベースラインに対する変更をマネジメントするプロセスです。
スケジュール・コントロールでは以下のことを行います。
- プロジェクト・スケジュールの現在の状態の確認
- スケジュールの変更をもたらす要因への働きかけ
- プロジェクト・スケジュールの変更の確認
- 変更発生時における実際の変更のマネジメント
インプット
プロジェクトマネジメント計画書
プロジェクトマネジメント計画書には、スケジュール・マネジメント計画書とスケジュール・ベースラインが含まれています。
プロジェクト・スケジュール
表示されている日付における。更新と完了アクティビティ、開始アクティビティを示す記録のあるプロジェクト・スケジュール最新版です。
作業パフォーマンス情報
アクティビティの開始状況、作業状況、完了状況などを示している、プロジェクトの進捗情報です。
組織のプロセス資産
スケジュール・コントロール・プロセスに関連する組織のプロセス資産には以下のようなものがあります。
- スケジュール・コントロールに関連する方針や手順、ガイドライン
- スケジュール・コントロールのツール
- 使用する監視と報告の方法
ツールと技法
パフォーマンス・レビュー
パフォーマンス・レビューでは、実際の開始日や終了日、完了パーセント、作業中の残余所要期間などの、スケジュール・パフォーマンスを測定し、比較・分析を行います。
アーンド・バリュー・マネジメント(EVM)を採用する場合は、スケジュール差異(SV)およびスケジュール効率指標(SPI)を使って差異を測定します。
クリティカルチェーン法を使う場合は、納期厳守のための必要なバッファと残余バッファを比較することで状況を判断します。
差異分析
スケジュール・パフォーマンスの測定値(SV、SPI)を使って、スケジュール・ベースラインからの差異の大きさを評価します。
また、トータル・フロートの差異もパフォーマンス評価に欠かせない要素です。
さらに、スケジュール・コントロールの重要な要素として、スケジュール差異に対して是正処置または予防措置が必要かどうかを決定することがあります。
クリティカル・パス上のアクティビティに遅れが生じている場合は、特にわずかな遅れでも直ちに対策を行う必要があります。
プロジェクト・マネジメント・ソフトウェア
一般的なプロジェクトマネジメント・ソフトウェアを利用することで、計画日と実施日を追跡して、スケジュールに対する変更の影響を予測することができます。
資源平準化
要因に対する作業配分を最適化するために使用します。
What-ifシナリオ分析
スケジュールを計画書に沿ったものにするために、さまざまなシナリオを検討する際に使用します。
リードとラグの調整
遅れているプロジェクト・アクティビティを計画書に沿ったもの方法を見いだすために使用します。
スケジュール短縮
遅れているプロジェクトアクティビティを計画書に沿ったもの方法を見いだすために使用します。
スケジュール・ツール
スケジュール・ネットワーク分析を実行してプロジェクト・スケジュール更新版を作成するために、手作業またはその他のプロジェクトマネジメント・ソフトウェアと組み合わせて使用します。
アウトプット
作業パフォーマンス結果
WBS要素、特にワーク・パッケージとコントロール・アカウントで算出したスケジュール差異(SV)とスケジュール効率指数(SPI)を文書化して、ステークホルダーに伝えます。
組織のプロセス資産更新版
更新対象なものには以下のようなものがあります。
- 差異の原因
- 選択した是正処置とその選択理由
- スケジュール・コントロールから得られるその他の教訓
変更要求
進捗報告のレビューやパフォーマンス測定の結果、プロジェクト・スケジュールの修正などと共に行うスケジュール差異分析が、プロジェクトのスケジュール・ベースラインまたは他のプロジェクトマネジメント計画書の構成要素に対する変更要求をもたらす場合があります。
予防措置には、スケジュール差異の発生確率を低減するための変更提案が含まれます。
プロジェクトマネジメント計画書更新版
更新対象には以下のようなものがあります。
- スケジュール・ベースライン
- スケジュール・マネジメント計画書
- コスト・ベースライン
プロジェクト文書更新版
更新対象には以下のようなものがあります。
- スケジュール・データ
- プロジェクト・スケジュール