プロジェクト・チームのマネジメントは、プロジェクト・パフォーマンスを最適化するために、チーム・メンバーのパフォーマンスを追跡し、フィードバックを行い、課題を解決し、変更をマネジメントするプロセスです。
チームマネジメントの活動には以下のようなものがあります。
- チームの行動の観察
- コンフリクト・マネジメント
- 課題の解決
- チーム・メンバーのパフォーマンス評価
マネジメント活動の結果としての活動としては以下のようなものがあります。
- 変更要求の提出
- 課題の解決
- パフォーマンス評価に対する情報提供
- 教訓の解決
さらにマネジメントに必要なスキルとしては以下のようなものがあります。
- コミュニケーション
- コンフリクト・マネジメント
- 交渉
- リーダーシップ
- やりがいのある任務を与え、高いパフォーマンスに対して表彰する
インプット
プロジェクト要員任命
9.2 プロジェクト・チーム編成のアウトプットです。
プロジェクトマネジメント計画書
9.1 人的資源計画書作成のアウトプットである、人的資源計画書を参照します。
チームのパフォーマンス評価
プロジェクト・チームのパフォーマンスの公式または非公式な評価を継続的に行います。
その結果として以下の項目に対して改善を実施します。
- 課題の解決
- コミュニケーションの修正
- コンフリクトへの対応
- チームの相互作用の改善
実績報告書
実績報告書は、進行中のプロジェクトの状況をその予測と比較した文書です。
実績報告書は以下の項目に対して利用します。
- 人的資源に対する要求事項
- 表彰と報奨
- 要員マネジメント計画書
組織のプロセス資産
以下のような内容を参考にします。
- 感謝状
- ニュースレター
- Webサイト
- 特別賞与制度
- 企業ユニフォーム
ツールと技法
観察と会話
観察と会話は、プロジェクト・チーム・メンバーの作業と態度を継続して把握しておくために行います。
監視する指標としては、以下のようなものがあります。
- 要素成果物の進捗状況
- 達成した業績
- 人間関係の課題
プロジェクトのパフォーマンス評価
プロジェクト期間中にパフォーマンス評価を行う目的には以下のようなものがあります。
- 役割と責任の明確化
- チーム・メンバーへの建設的フィードバック
- 未知または未解決の課題の発見
- 個人のトレーニング計画書の作成
- 今後の具体的な目標設定
コンフリクト・マネジメント
プロジェクトの環境では、コンフリクトは避けられないものです。
コンフリクトに対処する際は、以下のような特徴を認識しておく必要があります。
- コンフリクトは当然のことであり、従来とは異なる手段を探す力となります。
- コンフリクトはチームとしての課題です。
- オープンであることが、コンフリクトの解決につながります。
- コンフリクトの解決には、個人の人間性にではなく、課題に焦点を当てる。
- コンフリクトの解決には、過去ではなく、現在の焦点を当てる。
コンフリクトの解決方法に影響を与える要員は以下のようなものがあります。
- 相対的な重要度と深刻度
- 解決への時間的制約
- 当事者の立場
- 長期的あるいは短期的に解決しようとする動機
コンフリクトの解決方法
コンフリクトの解決方法には、一般に以下の6つの方法があります。
- 強制
他者を犠牲にして自分の観点を押し付ける。
これは勝ち負け式(Win-Loose)の解決策しか提示しない。 - 撤退や回避
現在ある、あるいは潜在的なコンフリクトから身を引く - 鎮静や適応
意見の異なる部分ではなく、同意できる部分を強調する - 妥協
当事者全員が、ある程度満足できる解決策を模索する - 協力
異なる観点から複数の視点や見識を取り込む。合意と確約につながる。 - 対峙や問題解決
いろいろな手段を検討して解決すべき課題とする。ギブアンドテイクの態度とオープンな対話が必要。
このなかで、「強制」と「撤退や回避」は、一時的には解決されたように見えるが、あらたなコンフリクトを有無場合があります。
あくまでも最善な方法は、「対峙や問題解決」です。
課題ログ
各課題を解決する責任者と目標期日を一覧表に記載して監視に役立てます。
人間関係のスキル
プロジェクト・マネジャーは、状況を分析するために、技術的、人間的、概念的なスキルを複合的に使って、チーム・メンバーと適切に対話します。
人間関係のスキルには、以下のようなものがあります。
リーダーシップ
リーダーシップは、プロジェクト・ライフサイクルのすべてのフェーズを通して重要です。特にビジョンを伝えて、高いパフォーマンスを達成するようにチームを鼓舞することが特に重要です。
影響力
マトリックス型組織の環境では、プロジェクト・マネジャーはチーム・メンバーに対して直接的な権限がほとんどないか、まったくない場合が多いです。そのため、ステークホルダーに、タイムリーな影響を与えることのできる能力をもつことが成功には不可欠です。
影響力に関する重要なスキルには以下のようなものがあります。
- 説得力をもって、要点や立場を明確に述べられる能力
- 積極的傾聴能力
- 状況に応じ、いろいろな観点から考えられる能力。
- 信頼を維持しながら合意に達するために重要な情報の収集能力
効果的な意思決定
組織やプロジェクトマネジメント・チームと交渉して影響を与える能力に関するもので、以下のようなものがあります。
- 達成すべき目標に焦点を当てる。
- 意思決定プロセス順守。
- 環境要因の調査。
- チーム・メンバーの人間関係の資質の育成。
- チームの創造性の活性化。
- リスクのマネジメント。
アウトプット
組織体の環境要因更新版
更新が必要になる項目には以下のようなものがあります。
- 組織のパフォーマンス評価へのインプット
- 要員スキル更新版
組織のプロセス資産更新版
更新が必要になる項目には以下のようなものがあります。
- 過去の情報と教訓についての文書
- テンプレート
- 組織の標準プロセス
変更要求
プロジェクトマネジメント計画の実行に支障がある場合には、統合変更管理を通して変更要求を処理する必要があります。
変更要求として以下のようなものがあります。
- 配置転換
- 作業の一部外注
- 離任メンバーの補充
- 予防処置
- 担当社不在時のためのクロス・トレーニング
- 役割のさらなる明確化
プロジェクトマネジメント計画書更新版
更新が必要になる項目には以下のようなものがあります。
- 人的資源計画書