前回スタティックルーティングの利点について解説しましたが、今回は欠点
について書いていきたいと思います。
前回の解説で使用したネットワークはこちらでした。
例えばこのネットワークに、新しくルータを設置して、ネットワーク増
やしてみましょう。
追加したネットワークにPC-Dを設置します。
さてさてここで、PC-Dへ全PCから通信をさせたいとします。
しかしこのままでは通信することが出来ませんね。
なぜかって?
@ @ @
各ルータのルーティングを見てみれば一目瞭然。
PC-Dのネットワーク10.1.2.0/24へのルーティングがないからですね。
そのため各PCからPC-D(10.1.2.2)宛のパケットを飛ばしても、ルータで行き
先が見つからないためそのパケットが破棄されてしまいます。
PC-Dへその他の全PCから通信させたい場合、全てのルータのルーティング
テーブルに追加しないといけません。
今回の構成では数台の設定で済みますが、これがもっと大きなネットワークで、
ルータが数十台とか数百台なんてあった日には大変ですね。
これがスタティックルーティングの欠点の1つ目です。
つづいて以下のような構成で考えてみます。
このようにネットワークがループ構成の場合で、PC-AからPC-Bへ通信させた
い。
経路をRTA~RTB~RTDの経路を通るようにルーティングを設定してみよう。
上図の設定を各ルータに設定することで、目的の通信が可能になりますね。
では、ここでもしRTBに障害が発生したらどうなるでしょう?
ネットワークはループ構成ですよね。
RTA~RTC~RTDという経路もあるわけです。
しかし、各ルータはスタティックでルーティングを設定していますから、
迂回経路があったとしても、自動でRTA~RTC~RTDという経路に切り替わる
ことは出来ません。
迂回経路に切り替えるには各ルータのルーティングの設定を変更しなければ
いけません。
非常に面倒くさいですよね。自動で切り替わってくれたらどんなに幸せなこ
とでしょう。
これがスタティックルーティングの欠点の2つ目です。
次回はスタティックルーティングの欠点を補ってくれる技術、
「ダイナミックルーティング」について解説していきます。
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