村上春樹さん 「エルサレム賞」授賞式の記念講演の要旨

全文が掲載されているわけではなく、あくまで要旨ですが、とてもグッとくる言葉が並んでいたので、思わずエントリ。
村上春樹さんの講演要旨
村上春樹さんといえば、個人的に走ることについて語るときに僕の語ることがお気に入りで、モチベーションが下がったときに読み返しているのですが、改めてこの人やっぱすげぇとか思いました。

イスラエルの(パレスチナ自治区)ガザ攻撃では多くの非武装市民を含む1000人以上が命を落とした。受賞に来ることで、圧倒的な軍事力を使う政策を支持する印象を与えかねないと思ったが、欠席して何も言わないより話すことを選んだ。

という言葉から始まり、

わたしが小説を書くとき常に心に留めているのは、高くて固い壁と、それにぶつかって壊れる卵のことだ。どちらが正しいか歴史が決めるにしても、わたしは常に卵の側に立つ。壁の側に立つ小説家に何の価値があるだろうか。

壁はあまりに高く、強大に見えてわたしたちは希望を失いがちだ。しかし、わたしたち一人一人は、制度にはない、生きた精神を持っている。制度がわたしたちを利用し、増殖するのを許してはならない。制度がわたしたちをつくったのでなく、わたしたちが制度をつくったのだ。

こういったことを堂々と語れるってのはなかなか出来るものではない。
決してイスラエルの行った行為を非難するのではなく、もっともっとスマートなやり方で希望を語るあたりは私のような常人には真似できまへん。
■追記
以下のサイトでさらに詳細な日本語訳を掲載してくれています
 村上春樹のスピーチを訳してみた(要約時点)進化版Ver.3.0 – しあわせのかたち
■さらに追記
村上春樹氏のスピーチ全文を掲載しているサイトがありました。
Always on the side of the egg – Haaretz – Israel News

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