これからの思考の教科書 ~論理、直感、統合ー現場に必要な3つの考え方~
これからの思考の教科書 ~論理、直感、統合ー現場に必要な3つの考え方~ | |
酒井 穣 |
これは思考系のスキルを学びたい方に、まず最初に読んで欲しい書籍。
思考系の書籍はそれなりに読んできましたが、本書は思考方法を学ぶための本というよりも、思考系スキルを高めていくための指標のような書籍と言った方が良いかもしれない。
そのため、本書で書かれている様々なスキルを深掘りしていくためには、別途それぞれの専門書を読む必要があるわけですが、それでも思考系のスキルを学びたい方はまず本書を一読してほしい。
そもそも思考とは何か?どんな種類があって、どのようなスキルを身につけていけば良いのか?という進むべき道を指し示してくれるような書籍で、まず本書を読んで進むべき道を確認してから、深く深く思考スキルを身につけていくことで、効率よく身につけていける気がします。
以下、個人的読書メモ
顧客のニーズをすくい上げ、ニーズに、合った商品やサービスを提案することがビジネスであるという理想論ばかり振りかざす人もいるが、現実のビジネス社会では、売らなくてはならない商品やサービスが決まっていて、なんとしても顧客に買ってもらわないといけないという場合も少なくないことを知っておくべき。
さらに自分達の提案を正当化する理由だけを提示するようなことも場合によっては必要。競争社会においては、こうした泥臭い戦略を当然のように使ってくる。
理論的なものごとの学習をとおして多くの事例や一般論に触れることで、はじめてあるべき姿とは何かが見えてくる。
同時に、自分のおかれている現状についても、普段から把握しておく。
なによりも基本となるのは、データを繰り返し読んだり、データに関して話し合ったりと、とにかく手元にあるデータによく「なじむ」こと。
後になって、別の知識を偶然得たときに、そもそもデータになじんでないと、こうした問題の発見はできない。
特に価値の高い問題は最初、「謎」や「驚き」、「戸惑い」として体験される。価値の高い問題を発見するノウハウとしては、こうした自分の感覚に敏感になること。
自社と競合の間に、入手できる「情報の格差」が期待できないが現代社会である。
・アブダクションの考え方
驚くべき事実Cが観察された。しかし、もし説明仮説Hが真であれば、Cは当然の事柄だろう。よって、説明仮説Hが真であると考えるべき理由がある。
ひらめきのためには、脳が完全にリラックスしていなければいけない。
意識的か否かにかかわらず、この世界には、それを求めている人にしか見えないことがたくさんある。
テーマを持って生きるということは、脳にメッシュの細かい網を張って生きるようなものです。
それなくしては完全に素通りと、なる情報も、テーマがあることによって、きちんと脳内にカチッとおさまってくれるのです。