MPLS Services with OpenFlow
MPLSネットワーク上でのOpenFlowのデモがOpenFlow.orgで公開されていました。
OpenFlow を MPLSネットワークで使う試みはおもしろいなぁとは思うのですが、まだまだ実際に使うためにはハードルがありそうです。
そもそもOpenFlowとは?
OpenFlowとは、MACアドレスやIPアドレス、ポート番号などを組み合わせて、フロー単位での経路制御を実現させる技術です。
OpenFlowは個人的にも注目していて、少し前にもGoogleやCiscoが、Openflowを推進する「Open Networking Foundation」を発表して話題にもなりましたが、現段階ではデータセンター等でのフラットなネットワーク運用を目指したアプローチが主流のようです。
openflowの仕組みは、「データプレーン」と「コントロールプレーン」を分離して、スイッチやルータと、それらの機器をまとめて制御するコントローラがあって、その間はコントロールプレーンとして openflow プロトコルでやり取りするイメージ。
そのため、コントロールプレーンの reachability が失われると、制御不能に陥るリスクがあるため、コントロールプレーンはミッションクリティカルなネットワークが要求されます。
openflowについての説明は以下が分かりやすいです。
情報処理推進機構:情報セキュリティ:調査・研究報告書:情報セキュリティ技術動向調査(2010 年下期)
キャリアネットワークでOpenFlowを使う意味
公開されているデモは、MPLSネットワークでTraffic Engineeringを行うために使われるコントロールプレーンプロトコル(OSPFやRSVP、LDPなど)を使わずに、OpenFlowを使ってTraffic Engineeringを実現するデモ。
確かにコントローラで一括制御出来るのは非常に魅力的。
ではあるものの、個人的にはキャリアネットワークで使うには、まだまだメリット以上にリスクがある気がします。
先ほど説明したように、コントロールプレーンが流れるネットワークは、ミッションクリティカルな設計が必要になります。
データセンター内であれば、ミッションクリティカルなネットワークを構成しやすいので、openflow の恩恵を受けやすいのですが、これがキャリアのバックボーンネットワークでとなると、コントロールプレーン用ネットワークをどう構築するのかという大きな課題があります。
費用面、運用面を考えるとさすがに openflow は使えないだろうなぁと思ったり。
とはいえまだまだ発展途上のプロトコルですし、今後キャリアネットワークでも使えるような見直しには大いに期待したいところです。