身の毛もよだつ祝いの言葉の裏側
無性に話したくても諸々の事情で話せなかったけどそろそろ時効だろってんで書いてみます
時(とき)は社会人2年目の夏
社会人になって何百回と繰り返しやってきても相変わらずやる気の起きない月曜日の朝
キーワードはネガティブにポジティブ
オレは休み中に溜まったメールをボーっと眺めながら脳味噌の暖機運転をしていたその時
徐に隣の席の電話が鳴った
そしてこの電話が後にとんでもない事態に発展することになるとはこの時、誰も想像だにしなかった・・・
何やらせわしなく合コンのお誘いメールを書いている同僚が電話をとった
後になって同僚に聞いた会話の中身はこんな感じらしい
同僚「ハイ○○会社です」
女「□□と申しますが」
同僚「お世話になります」
女「申し訳ありませんが□□課長はいらっしゃいますか?」
同僚「申し訳ありません。あいにく本日お休みを頂いているのですが」
女「そうですか。実は私、□□課長の娘なのですが自宅の番号を教えていただきたいのですが」
同僚「そうですか、えーと番号は○○-○○○○-○○○○です。」
女「分かりました。ありがとうございます」
…
イヤイヤイヤどー考えてもおかしいでしょ、これ。
自分の娘がなぜに自宅の電話番号知らないの?
しかしその時の同僚は頭の中は「合コン」でイパーイだったらしく、
まさに“カットスルースイッチング”で処理してしまったようだ。
さすがにその日はその話題で持ちきりで、同僚もかなり焦りまくりだったものの、既に番号は教えちまったのでとりあえず明日課長が出社したら謝ろうということになった。
で、次の日。
事務所に入ってきた課長のその姿を見て同僚と俺は驚愕した
背中を丸め右腕にギブスをはめ、足を引きずりながら入ってきたその姿はまさに戦地から命辛々戻ってきた戦士のようであった
課長「いや~昨日酔っぱらって階段から落っこちゃってさぁ~」
うそだ 間違いなくうそである
明らかに何者かと争ったような傷がそれを物語っていた
「すごいな」
「うん すごいね」
その姿を見た僕たちは ごく当たり前の会話を交わし、それ以降二人の間でこの話題に触れることは無かった
そしていつしかそれは二人だけの秘め事として心の金庫にそっとしまっておいた
でもね そんな同僚が最近結婚することになったんですよ
照れくさそうに二人仲良く報告しにきてくれた同僚よ
そんな同僚の結婚祝いにこの言葉を贈ろう
同僚よ
君は間違ってはいない
ただとにかく愛を貫け