総務省が平成28年版 情報通信白書が公開
総務省から「平成28年版 情報通信白書」が公開されました。
平成28年度のポイント
28年度のポイントとして、「IoT・ビッグデータ・AI」をあげています。
データ量の爆発的な増加と、そのデータを処理できるハードウェア性能の向上により、ディープラーニング等の機械学習が一気に進展しています。
今回の情報通信白書もそんなデータ社会の到来を反映した内容になっています。
ICTの投資状況
今までのICTへの投資は業務効率化とコスト削減のための投資だったが、今後はハードからソフトやサービスへとシフトする見通しで、クラウドなど生産性向上のための投資が増加する見込み。
この結果、2020年度時点で実質国内総生産(GDP)を約33兆円押し上げると書かれています。ただこれはある程度期待を込めての数字かと思います。理由はIoTやAIの投資やサービスへの展開がまだまだだと感じているためです。実際今回の情報通信白書でも、その点について数値で見て取ることができます。
IoT進展度
無線通信のインフラ普及度とIoT進展度の関係のグラフを見てみると、日本はインフラはReadyにも関わらず、IoTの導入率や提供率は主要国の中でも最低レベルです。
さらに、日本企業のデータ利活用は、収集・蓄積レベルで、まだまだ利活用している段階ではないという結果もあります。
IoT進展度は米国が圧倒的に進んでいるという結果でした。GEはIoTに関する取り組みを社内で積極的に続けて結果を出し、そのナレッジを顧客に販売する「エンタープライズITベンダー」へと変貌していますし、米国の通信キャリアも積極的にIoTに関して投資を行っています。
AI進展度
AIに関しても日本の認知度はまだまだという結果。
AIに関する今後の対応に関するアンケート結果を見ると、日本では「対応・準備については、特に何も行わない」が最も多いが、米国では、「人工知能(AI)の知識・スキルを習得するなど、人工知能(AI)を使う側に立って、今の仕事・業務を続けようと対応・準備する」が最も多い。このことからもAI普及はまだまだだと感じてしまいます。
まとめ
以前から日本は米国に5〜10年遅れていると言われていますが、これだけ高度な情報社会になって、情報の鮮度はほぼ同じになっているにもかかわらずなかなか追いつけないですね。これは確実に物事を進めていこうとする日本人の国民性もあるのかも知れませんが個人的には悔しいなぁと思ってしまいます。
確かにIoTやAI、ビックデータの活用で、企業の生産性が高まるのは間違いないと思いますが、そのためのAIやビッグデータを活用するためのリテラシーの向上が不可欠だと感じました。