インターネット・トラフィックパターンの大きな変化
久しぶりにCisco VNI(Visual Networking Index)を見ていたらインターネットのトラフィックパターンに大きな変化を感じたので書いておく。
トラフィックはエッジ内に収まる
かつてのインターネット・トラフィックは複数のピア間を通り、全世界に流れていました。特にトラフィックの大半はビデオトラフィックで、VNIでも2021年にはトラフィック全体の80%がビデオトラフィックになると予測しています。
今後ビデオトラフィックはCDN(content delivery network)の活用によって、ロングホールを通過するトラフィックは減ってくるのではないかと思っています
VNIの調査でも、CDNの普及拡大とトラフィックパターンの変化を以下の様に予測しています。
- 2021年には世界のインターネットトラフィックの35%が、メトロ・トゥ・メトロに流れる
- 2016年ではインターネットトラフィックの52%でCDNが使用されているが、2021年には71%に増加する
CDNを活用することで、サービス提供者はサーバー側の負荷を減らすことができますし、ユーザーはサービスへのアクセスが早くなるという、どちらにとってもメリットがあるサービスですので、今後も成長していく市場だと思います。
ビジネス向けトラフィックの増加
VNIでは全世界のビジネス向けIPトラフィックが、2016年から2021年にかえて21%増加すると予測しています。
すでに多くの企業がインターネット・トラフィックの送受信を行っていますが、今後の増加はおそらくクラウドサービスの利用増加とテレビ会議の増加によるビデオトラフィックの増加が原因ではないかと思います。
VNIレポートを見ると2016年から2021年にかけて、固定環境で20%、モバイル環境で41%、IP WAN環境で10%の増加という予測です。
ここで注目したいデータはIP WANトラフィックの内訳です。VNIによると、2016年ではIP WANトラフィック全体の6%がSD-WANが占めているが、2021年にはIP WANトラフィックの25%がSD-WANトラフィックが占めるという記載がありました。
SD-WANトラフィックは、2016年から2021年にかけて6倍に成長し、年間成長率は44%になると予測しています。
最近CiscoはSD-WAN関連の企業を積極的に買収しています。クラウドベースのSD-WANベンダー「Viptela」を6億1000万ドルで買収しましたし、その他にも自社で開発しているIntelligent WAN(IWAN)やCisco MerakiもSD-WANのカテゴリに含まれます。